2005 Fiscal Year Annual Research Report
CaMキナーゼホスファターゼの生理機能解明を目指した酵素学的研究
Project/Area Number |
15570094
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
竹内 昌之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40226999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 剛志 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (60194833)
谷口 隆信 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60217130)
茂里 康 産業技術総合研究所, 人間系特別研究体, 主任研究員 (90357187)
亀下 勇 香川大学, 農学部, 教授 (60127941)
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Keywords | CaMキナーゼ / プロテインホスファターゼ / 脱リン酸化 |
Research Abstract |
CaMキナーゼホスファターゼ(CaMKP)はセリンスレオニンホスファターゼであり、多機能性リン酸化酵素であるCaMKI, II, IVを脱リン酸化して、その活性を調節している。CaMKPはPP2Cと同じPPMファミリーに属しているが、PP2Cαの触媒部位の相同性は28%と低い。また、ラットのCaMKPはN末端側にポリグルタミン酸クラスターを含む約150アミノ酸残基を有している。 CaMKPの活性とその調節機構を調べる為に、組換え体CaMKPの変異体を作製し、その解析を行なった。N末端側の欠失変異体は活性を示さなかった。従って、N末端側の配列は活性のある酵素の形成に必須である事が示唆された。また、ポリグルタミン酸クラスターを欠失した変異体は活性を保持していたが、ポリリジン添加による活性の上昇は見られなかった。従って、ポリグルタミン酸クラスターはポリカチオンによる活性化に関与している事が示唆された。更に、PPMファミリーで保存されているアミノ酸残基を置換した変異体は活性が著しく低下しており、これらのアミノ酸残基がCaMKPの活性に重要である事が示唆された。 また、CaMKPと共にグループを形成しているCaMKP-Nについて、組織における細胞内局在について解析した。ラットの脳の細胞分画を行ない、得られた画分をウエスタンブロットにより解析した。ほとんどのCaMKP-NはC末端側が欠失しており、細胞質に存在している事が示された。ラットの脳の免疫組織化学による解析により、大部分の神経細胞では細胞質に存在し、一部の神経細胞で核に存在している事が示された。従って、CaMKP-Nは核に存在するCaMキナーゼのみならず、細胞質のCaMキナーゼをも調節している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)