2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロリルエンドペプチダーゼおよび阻害剤複合体のX線結晶構造解析
Project/Area Number |
15570095
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (80243731)
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Keywords | プロリルエンドペプチダーゼ / 自動分注器 / 溶解度曲線 / 多変量解析 / X線結晶構造解析 / ホモロジーモデリング / ドッキング・シミュレーション / 分子軌道法 |
Research Abstract |
種々のペプスタチン様アルデヒド型阻害剤やペプチド阻害剤の結合する本酵素との複合体の構造研究のために、パソコン上でのin silico実験系の構築し、最適化を試みた実例として、既に構造解析を終えた酵素(BCAIIの変異体Q253C、HmCP、DyP、ミニシャペロニンGroELの変異体)を挙げる。(1)決定したDyP構造を元に、一次配列の相同性を使ったホモロジーモデリングでそれら酵素TAPやPOPの立体構造を作成した。さらに、TAPとPOPの機能を、予測した立体構造に基づいて、DyPの機能との比較し、変異実験や構造解析で確認している(投稿中)。(2)プロテインデータバンクに既に登録済みのBCAII Q253Cのループ部分の動的な挙動を見積り、AFMによる実験の結果と一致した(投稿中)。(3)得られたBCAII、HmCPやDyPの分子構造に、それぞれ眼圧降下剤、抗結核剤、種々のアントラキノン基質を、ドッキング・シミュレーション(構造決定した酵素の主鎖、側鎖部分と基質は柔軟性を考慮した分子軌道法)で計算し、誘導適合モデル化した基質-酵素相互作用を高精度に見積った。結合部位を予測し、基質や阻害剤の結合親和性を定量化し、それを利用して共結晶化した。結晶解析して、基質の位置を確認した(投稿中)。(4)GroELの変異体をX線解析し、その結果から分子軌道法により複合体の生成熱を算出し、基質ペプチドやタンパク質との差分から、その相互作用エネルギーを見積る解析系を構築した(投稿中)。(5)自動分注器の分注機械精度を活用し、DyPの沈殿曲線を作成し、結晶の核形成領域と準安定領域を実験的に決定し、新規の結晶化条件を得た。(6)実験計画法に基づいた"不完備要因実験"により、効果的な条件検索法を検討し、結晶の厚みという実験データを応答曲面解析という多変量解析によって、沈澱剤濃度等の条件を最適化した。(7)X線解析から得られた酵素表面の荷電性アミノ酸残基が高磁場による結晶の良質化機構への関与を、その側鎖のコンホメーション解析・分子軌道法による構造の最適化によって提案した。(8)高分解能の構造情報が得られない場合、その分子間相互作用の原理や機能解析でき、高活性の変異体や薬剤の設計できる方法の構築を目指す。
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[Journal Article] Structural Basis of the Substrate Subsite and the Highly Thermal Stability of Xylanase 10B From Thermotoga maritima MSB82005
Author(s)
Ihsanawati, Kumasaka, T., Kaneko, T., Morokuma, C., Yatsunami, R., Sato, T., et al.
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Journal Title
PROTEINS : Structure, Function, and Bioinformatics 61
Pages: 999-1009
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[Journal Article] A Norovirus Protease Structure Provides Insights into Active and Substrate Binding Site Integrity2005
Author(s)
Nakamura, K., Someya, Y., Kumasaka, T., Ueno, G., Yamamoto, M., Sato, T., et al.
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Journal Title
Journal of Virology 79・21
Pages: 13685-13693
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