2004 Fiscal Year Annual Research Report
受容体型チロシンキナーゼによる血管内皮細胞・平滑筋細胞分化の分子機構
Project/Area Number |
15570110
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮澤 恵二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40209896)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 徹郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00334235)
|
Keywords | 血管内皮細胞 / リンパ管内皮細胞 / チロシンキナーゼ |
Research Abstract |
マウスES細胞をType IVコラーゲンディッシュ上、LIF(leukemia inhibitory factor)非存在下で培養すると分化を始め、その中にVEGFR2(Vascular endothelial growth factor receptor 2)+細胞が出現する。これをsortingし、血清非存在下、VEGF-Aで刺激すると血管内皮細胞が、PDGF-BB(Platelet-derived growth factor-BB)で刺激すると平滑筋細胞が分化してくることが報告されている。本研究では、この実験系を用い、血管内皮・平滑筋細胞分化におけるチロシンキナーゼシグナルの役割の検討を進めている。 本年度は内皮細胞分化におけるVEGFR3シグナルの役割の検討を行った。VEGF-C、Dの受容体であるVEGFR3をSupertransfection法によりマウスES細胞に高発現した後、VEGFR2+細胞を調製し、実験に用いた。VEGFR3発現細胞をVEGF-Cで刺激すると細胞は内皮細胞へと分化し、さらにリンパ管内皮細胞のマーカーであるLYVE-1を高発現するようになった。LYVE-1はヒアルロン酸の取り込みに関与する受容体として知られており、ケイ光ラベルしたヒアルロン酸の取り込みにより、発現したLYVE-1が実際に機能していることを確認した。VEGF-CはVEGFR2とVEGFR3を刺激するリガンドであるが、VEGFR3特異的に刺激する変異体VEGF-C(C152S)を用いると内皮細胞分化はおこらなかった。従って、VEGF-C刺激を行った場合、VEGFR2のシグナルが内皮細胞分化に必要であるが、ここに更にVEGFR3のシグナルが加わることにより、リンパ管内皮細胞様の形質が賦与されるものと考えられる。
|
Research Products
(1 results)