2004 Fiscal Year Annual Research Report
Ras、RhoファミリーGTP結合蛋白質ネットワークの制御機構
Project/Area Number |
15570117
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐藤 孝哉 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20251655)
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Keywords | GEF / Dblファミリー / GTP結合蛋白質 / Rhoファミリー / Cdc42 / インスリン / 骨格筋 |
Research Abstract |
RhoファミリーGTP結合蛋白質に対するグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)であるDb1ファミリー蛋白質は、細胞骨格系の再構成を介して、細胞運動、細胞接着、細胞極性などの種々の細胞機能を調節している。また、細胞増殖因子受容体などのエンドサイトーシスへの関与も示唆されている。本研究課題では、Db1とその近縁分子であるOstの多くのスプライスバリアントを同定し、これらの分子のN末端付近に存在し、これまで機能が未知であったSec14類似ドメインの機能解析を行なった。その結果、Sec14類似ドメインをもつスプライスバリアントともたないスプライスバリアントとでは、基質であるRhoファミリーGTP結合蛋白質のCdc42と共発現させたとき、HeLa細胞に誘導する細胞形態の変化や細胞内局在部位に差異があることが明らかとなった。さらに、昨年度開発した動物培養細胞内においてCdc42の活性化をin situで検出する方法を改良し、内在性のCdc42とRacに応用した。とくに、骨格筋培養細胞系のインスリンシグナル伝達におけるこれらの分子の機能を解析した。骨格筋L6細胞をインスリン刺激すると、内在性Cdc42とRacの活性化が観察された。前者の活性化は、ホスプァチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害剤であるワートマンニンに非感受性であったが、後者の活性化は、ワートマンニンに部分的に感受性を示した。したがって、インスリン刺激に応答したRacの活性化には、PI3K依存性の系と非依存性の系とが機能していることが示唆された。in situでのRacの活性化検出法により解析したところ、インスリン刺激に応答したPI3K依存性のRacの活性化は、細胞膜表面のラッフル膜において、PI3K非依存性のRacの活性化は、細胞内膜系において起こることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)