2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境ストレスによる翻訳開始とアクチン骨格の統括制御機構の研究
Project/Area Number |
15570142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上園 幸史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30251408)
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Keywords | 浸透圧 / グルコース / アクチン / 翻訳 / ストレス |
Research Abstract |
浸透圧ストレスやグルコース飢餓などの環境ストレスは出芽酵母のアクチン極性と全蛋白質合成を迅速且つ一過的に阻害する現象を見い出している。この現象を解明するため、本申請の期間中では主にグルコース飢餓による制御機構の解析を行った。 その結果、グルコース飢餓による制御は、まず翻訳開始とアクチン極性を統括して制御する機構と、それぞれを個別に制御する機構の二つから構成されており、統括制御機構は、急速な阻害反応と再活性化の二つの反応から構成されている事がわかった。この阻害反応にはA-キナーゼやReg1/Glc7プロテインフォスファターゼが関与することを明らかにした。再活性化はさらにグルコース非存在下での再活性化とグルコース再添加による急速な再活性化に分類され、グルコース非存在下での再活性化には呼吸能やMsn2/4転写因子、Snf1キナーゼが関与しているが、グルコース再添加による急速な再活性化にはこれらが関与しない新規のシステムが存在する事実を明らかにした。またグルコース飢餓による個別制御の機構として、翻訳開始の停止反応のみに関わる因子としてmRNAポリA鎖の分解に関与するPop2/Caf1遺伝子、またアクチンの脱極性化反応のみに関わる因子としてRbo1GTPase-Pkc1キナーゼ経路を新たに同定した。これらのシステムはストレスに応じて空間的に配置された遺伝子発現パターンを迅速に再編成する為に必要であると考えられる。 解糖系変異株群を用いた解析からグルコース飢餓時の統括制御にはATPだけでなく、細胞内グルコースかグルコース6リン酸も関与する可能性を明らかにした。さらに局部麻酔剤テトラカインがグルコース飢餓と類似した効果を持つ事実を見いだし、テトラカインの感受性/耐性に関わる変異株を多数同定した。
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Research Products
(2 results)