2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570149
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
清野 浩明 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (90270462)
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Keywords | ユビキチン / 蛋白質分解 / 細胞周期 / 分裂酵母 / DNA損傷チェックポイント / ユビキチン化再構成系 / 分裂期 / サイクリン |
Research Abstract |
分裂酵母をモデル生物として分裂期サイクリンCdc13のユビキチン鎖の伸長反応の作用機作を明らかにすることを本研究の目的とした。変異株の解析よりCdcl3のユビキチン化には2つのユビキチン転移酵素Ubc4とUbc11が関与することが示唆された。Ubc4変異株ではCdc13のユビキチン鎖が短くなっており、ubc11変異株においては全体的にユビキチン化が減少していることを見出した。この結果に基づきUbc11がユビキチン化の開始反応に関わり、Ubc4がその後のユビキチン鎖の伸長反応に関わるという作業仮説を立てた。以上の仮説を検証するために分裂酵母抽出液を用いたCdc13の試験管内ユビキチン化再構成系の構築を試みた。租抽出液を用いた反応系の構築を試みたが良好な結果が得られなかった。租抽出液中には脱ユビキチン酵素、プロテアソーム、蛋白質分解酵素など様々な酵素が存在しているために再構城が困難なのではないかと考え、ユビキチン活性化酵素E1、ユビキチン転移酵素E2を組替蛋白質として大腸菌で発現、精製し、多因子から成るユビキチンリガーゼE3(APC/C)は構成因子にタグをつけ分裂酵母から精製し、再構成系を確立することを検討している。しかしながら現在のところ、良好な結果は得られていない。反応条件の検討などを加えて検討していく必要があると考えている。 Ubc11変異株は分裂期サイクリン,セキュリンの分解の欠損により分裂期の進行に異常をきたす。分裂期の進行異常に加えてubc11変異株は細胞が伸長するというcdc変異に特徴的な表現型を示す。遺伝解析により細胞伸長の表現型はDNA複製チ土ックポイントには依存しなかったがDNA損傷チェックポイントに依存していることを明らかにした。また、Ubc11の活性が低下した細胞ではDNA損傷チェックポイントの構城因子であるChk1キナーゼが活性化していることを明らかにした。また、ubc11変異株はDNA損傷に対して高感受性を示さなかったことからUbc11が失活することによりDNA損傷非依存的にDNA損傷チェックポイントが活性化されることが示唆された。現在,Ubc11の関わるユビキチン経路の標的蛋白質の候補を明らかにしつつある。
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