2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答性エンドヌクレアーゼIre1が織りなす生命現象の解明
Project/Area Number |
15570160
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
木俣 行雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (60263448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)
都留 秋雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (80273861)
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Keywords | ストレス / 小胞体 / 分子シャペロン / ストレス応答 / UPR / RNA / スプライシング |
Research Abstract |
真核生物の小胞体に局在するI型膜タンパク質Ire1は、小胞体ストレスに応じて二量体化し、サイトゾル側末端のエンドリボヌクレアーゼドメインを活性化させる。出芽酵母で唯一知られているIre1の標的はHAC1 mRNA前駆体であり、小胞体ストレスに応じてスプライシングされ成熟型mRNAとなり、ストレス応答性遺伝子発現制御に寄与する転写因子へと翻訳される。 我々の研究の目的は、小胞体ストレスセンサーとしてのIre1活性制御機構の解明である。これまでに我々は、非ストレス状態では小胞体内在性分子シャペロンBiPがIre1に結合しており、Ire1の活性を抑えていることを示してきた。また、小胞体ストレスに応じて、BiPがIre1から解離することも分かっている。 今回の研究ではまず、出芽酵母において、Ire1の小胞体内腔ドメイン部分欠失変異体を系統的に作成・解析し、Ire1の活性化に必須の領域を決定した。また、BiP結合部位は、その領域の外にあることも見いだした。BiP結合部位を欠くIre1変異体は、恒常的な活性型とはならず、野生型Ire1と同様の小胞体ストレス応答性を示した。しかし、この変異体Ire1は、高温やエタノールいう、小胞体ストレスとは見なされないストレスを細胞に与えた場合も活性化した。よって我々は、Ire1によるストレス感知においてBiPは、中核的な部分には関与しないが、応答の正確性を保証するのに寄与すると考えている。
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Research Products
(2 results)