2004 Fiscal Year Annual Research Report
生きた細胞中でのリン酸化ミオシンII分子の局在の可視化解析
Project/Area Number |
15570161
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小阪 敏和 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10033903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 浩史 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183102)
佐甲 靖志 大阪大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (20215700)
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Keywords | ミオシンII / 細胞質分裂 / 生きた細胞 / 可視化 / リン酸化 / 細胞運動 |
Research Abstract |
細胞の分裂時・運動時に、リン酸化され活性化されたミオシンIIがどの様な役割を果たしているか明らかにすることを目的として、細胞に疑似リン酸化ミオシン調節軽鎖を導入して、生きた細胞中でこれらの蛋白質の挙動を観察した。創傷治癒の系を利用してヒーラ細胞を用いた実験では、移動時の細胞の先端にリン酸化され活性化されたミオシン調節軽鎖が局在することが明らかになった。また、一重リン酸化および二重リン酸化それぞれのミオシン調節軽鎖がともに移動時の細胞先端に局在することが明らかになった。これらのリン酸化ミオシン調節軽鎖局在部位には、ミオシン重鎖も併せて局在し、リン酸化ミオシンとしてこれらの領域に局在していることが示された。一方、リン酸化できない非リン酸化ミオシン調節軽鎖を導入した細胞では、これらの変異ミオシンは細胞先端に局在するが、これらの領域にはリン酸化されたミオシンが局在していないこと、移動のスピードも遅くなることが明らかになった。これらの事実から、細胞の移動にリン酸化され活性化されたミオシンが重要な役割を果たしていることが明らかにされた。一方、分裂時のヒーラ細胞に、同様に擬似二重リン酸化ミオシンを導入すると、コントロールの細胞に比べ、速いスピードで分裂時に形成される収縮環の収縮が進行することが明らかになった。一方、リン酸化できない非リン酸化ミオシン調節軽鎖を導入した細胞では、コントロールに比べ収縮環の収縮スピードが低下することが明らかになった。これらの事実から、細胞分裂のスピードの調節にリン酸化され活性化されたミオシンが重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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