2003 Fiscal Year Annual Research Report
固体NMR法による脂質膜表面における信号伝達系蛋白質の機能発現メカニズムの解析
Project/Area Number |
15570164
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻 暁 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60227387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 悟 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20347529)
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Keywords | 固体NMR / ホスホリパーゼC / PHドメイン / 信号伝達系 / 脂質二重膜 / 生体膜 / 膜表在性蛋白質 / 立体構造 |
Research Abstract |
1.安定同位体標識蛋白質調製方法の確立:固体NMR法によるホスホリパーゼC-δ1の観測のために、ラットホスホリパーゼC-δ1およびそのドメインを大腸菌中で発現させ、生合成的に安定同位体の導入、標識を行った。ホスホリパーゼC-δ1全長およびそのPHドメイン(1-140残基)、EF-handドメイン(133-281)、およびPH-EF-handドメイン(1-224)の各フラグメントに関して、[3-^<13>C]Alaおよび[1-^<13>C]Pro標識蛋白質をNMR測定可能な収量(0.1-0.5 μmol)で精製することができた。 2.脂質二重膜上におけるPHドメインおよびEF-handドメインの立体構造解析:[3-^<13>C]Alaおよび[1-^<13>C]Pro標識を導入したPHドメインに関して、その特異的結合リガンドであるPIP_2を含む脂質二重膜ベシクルおよび水溶性リガンドIP_3に結合した状態を対象に固体高分解能^<13>C NMR測定を行った。測定結果より、脂質二重膜上におけるPHドメインの立体構造変化を検出するとともに、構造変化部位の特定を行い、その、構造変化機構のモデルを提案した。 3.脂質膜組成に依存するPHドメインの構造変化:脂質二重膜の脂質組成が脂質膜上におけるPHドメインの構造に与える影響を解析するために、生体系に多く含まれるコレステロールおよび酸性脂質であるPSを10-20%含む脂質二重膜系を用い、脂質膜に結合したPHドメインの固体NMRによる構造解析を行った。 測定結果より、PSの負電荷によると考えられる膜上におけるPHドメインの運動性の増加とその局所的立体構造変化の誘起が見出された。また、コレステロールに関してもPHドメインの運動性変化が見出されたが、変化のメカニズムと構造に対する影響はPSの場合とは異なる性質を示した。
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Research Products
(1 results)