2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規ホスホリパーゼA_1ファミリーの小胞輸送における役割の解析
Project/Area Number |
15570165
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (40266896)
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Keywords | 小胞輸送 / ゴルジ体 / 小胞体 / ホスホリパーゼA / ホスファチジン酸 |
Research Abstract |
PA-PLA_1 (Phosphatidic acid - preferring phospholipase A_1)は真核生物に存在するホスファチジン酸に選択性の高いホスホリパーゼA_1である。動物細胞にはPA-PLA_1ファミリーに属する3種のタンパク質、PA-PLA_1、p125、KIAA0725pが存在し、このうちp125とKIAA0725pは申請者らが見出した分子種である。これまでの解析より、p125は小胞体から出芽する輸送小胞COPIIのコートタンパク質と結合し、COPII小胞が出芽するER exit siteに局在することが示されている。本年度はp125に関して以下の解析を行った。 1)p125のER exit siteへの局在がCOPIIコートタンパク質と同様にGTP結合タンパク質Sar1pのGTP/GDPサイクルにより調節されているかどうかを調べた。培養細胞でSar1pの変異体を発現させてp125の局在変化を調べた結果、p125の局在はSar1Pによって制御されていることがわかった。 2)RNAi法を用いて培養細胞でp125の発現を抑制してその影響を調べた。p125をノックダウンした細胞ではER exit siteの核近傍への密集が消失し、細胞全体に均一に広がっていた。この結果はp125が動物固有のER exit site構成成分でありその構築に関与することを示唆する。 3)脂肪酸鎖がC8およびC16のホスファチジン酸を用いてp125のホスホリパーゼA_1活性を測定したところ、C8のホスファチジン酸に対してのみ活性が検出された。C8のホスファチジン酸は自然界では存在しないが、p125がin vivoにおいて特異的な基質に対するホスホリパーゼA_1活性を持つ可能性が考えられる。今後培養細胞を用いた解析が必要であると思われる。
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Research Products
(3 results)