2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570175
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹島 一仁 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (20126874)
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Keywords | エレクトロポレーション / アフリカツメガエル / 遺伝子導入 / 神経組織形成 / 指肢形成 / Otx2 / BMP / hedgehog |
Research Abstract |
非接触エレクトロポレーション法を初期胚形態形成研究に適用し、対象遺伝子・タンパク質の高効率発現、厳密な時期および領域特異的な遺伝子導入が可能になった。 1 Otx2によるセメント腺および上小体の形成:アフリカツメガエル胚の予定前方脳領域にOtx2-En mRNAとGFPプラスミドを同時導入後14時間培養し、導入されたOtx2-Enの影響を、Xnotの前頭部発現変化と導入GFPの位置視覚化をDouble in situ法、および形態解析により検証した。Xnotを指標としたOtx2Enの上小体形成抑制効果はSt.10.5導入胚で観察されたが、St.13導入胚(約4時間後)では観察されなかった。また、セメント腺形成抑制効果はどの時期にも検出できなかった。一連の結果から、上小体形成時のOtx2によるXnot活性化が予想される一方、Otx2によるセメント腺形成制御を示唆する通説の再検証を提起できた。 2 指肢形成における分泌性因子群の作用特性:St.51〜55胚の後肢芽にBMPおよびNogginを導入し、幼成体の大腿、下腿、足指形成を検討した。St.52〜53のBMP4導入では、前方導入により第1-3指が欠損し、後方導入では第5-4指の形成不全が観察された。St、52〜53のNoggin導入では導入側の足指が減少し、St.54以降では大腿部・下腿部を含め足部全体の形成が抑制された。St.50〜52のShh肢芽前方導入では、過剰指形成、第一あるいは第二関節以端の多岐化が観察された。 3 遺伝子発現解析の強力なツール開発:本方法の適用は対象遺伝子の異所的な発現解析において明確な変化が観察されなかった実験系においても形態形成異常やマーカー遺伝子の異所的な発現を可能にした。さらに、その技術的改良は他のモデル動物系における強力なツール開発につながる。
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