2004 Fiscal Year Annual Research Report
葉の初期分化過程におけるAS2ファミリー遺伝子群の機能解析
Project/Area Number |
15570181
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
町田 千代子 中部大学, 応用生物学部, 教授 (70314060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 晶子 中部大学, 応用生物学部, 助手 (10340209)
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Keywords | シロイヌナズナ / 葉状器官 / ASYMMETRIC LEAVES1 / ASYMMETRIC LEAVES12 / 葉の発生分化 / 左右相称性 / 扁平性 / 茎頂メリステム |
Research Abstract |
シロイヌナズナのAS1、AS2遺伝子は、茎頂メリステムで特異的に発現しているclass I knoxホメオボックス遺伝子(BP,KNAT2,KNAT6)の発現を抑制し、葉の発生分化の初期過程で、葉原基細胞を分化状態に維持する機能をもつ。AS2タンパク質は新奇なドメイン構造(AS2ドメイン)をもつAS2ファミリーのメンバーであり、シロイヌナズナには42のメンバーが存在する(AS2,ASL1〜ASL41)。AS2とASL1の過剰発現体の形態が極めて類似しており、部分的に似た機能をもつ可能性が示唆された。は、第一に、シロイヌナズナのAS2と高い相同性をもつASL1,ASL2,ASL3の葉の分化過程における機能を明らかにするために、これらの遺伝子産物の細胞内局在と発現特異性を解析した。第二に、AS2、ASL1遺伝子と、BP,KNAT2,KNAT6の発現制御の機構との関連を明らかにするために、これらの多重変異体を作成した。ASL1-GFP、ASL3-GFP融合タンパク質はAS2-GFP融合タンパク質と同様に核局在を示した。シロイヌナズナの各器官における転写産物の蓄積を調べた結果、ASL1、ASL3の転写産物の蓄積様式はAS2と類似していて、ほとんど全ての器官、組織で転写物が検出された。一方、ASL2は花芽と花器官で特異的に発現していた。以上の結果、AS2,ASL1,ASL3遺伝子の機能が重複している可能性が考えられたので、多重変異体を作製した。しかしながら、現在のところ、二重変異体、as2-1 asl1-4とas2-1 asl3-1はas2-1単独変異体と、as1-ma asl3-1はas1-ma単独変異体と顕著な違いは見られなかった。as2-1 asl1-4 bp三重変異体を作成し、解析している。また、AS2と蛍光タンパク質の融合体は核内の特定の領域に局在する。さらに、AS2の核局在には、AS2ドメインのCモチーフが必要であることがわかった。以上の結果から、ASL1,ASL2,ASL3が葉の発生分化の過程でAS2と同様の機能をもつかどうかは、まだ明らかになっていない。しかしながら、よく保存されたCモチーフが重要であることを考えると、少なくとも同じような反応機構にかかわっている可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] The AtNACK1/HINKEL and STUD/TETRASPORE/AtNACK2 genes, which encode functionally redundant kinesins, are essential for cytokinesis in Arabidopsis.2004
Author(s)
Tanaka, H., Ishikawa, M., Kitamura, S., Takahashi, Y., Soyano, T., Machida, C., Machida Y.
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Journal Title
Genes to Cells 9
Pages: 1199-1211
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