2005 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエのヒストン遺伝子における協調進化のメカニズムの解明
Project/Area Number |
15570186
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松尾 義則 徳島大学, 総合科学部, 教授 (80219401)
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Keywords | ショウジョウバエ / ヒストン遺伝子 / 協調進化 / GC含量 / 自然選択 / 集団の大きさ |
Research Abstract |
ショウジョウバエの複製依存型ヒストン遺伝子に起こっている進化的変化を調べ、協調進化に働いている要因とその役割を明らかにし、DNAレベルでの適応進化のメカニズムを解明することを目的としている。平成17年度の計画は、キイロショウジョウバエと進化的に離れた関係にあるショウジョウバエ種のヒストン遺伝子繰り返しユニット領域をさらに多くの種から解析してみることであった。D.americanaにおいてヒストン遺伝子の構成が異なる繰り返しユニットが存在することを論文に発表できた(Nagoda et al.2005)。D.lutescens, D.pseudoobscura, D.takahashiiからも繰り返しユニットをクローニングし、全領域のDNA塩基配列を決定した。これらの種間でヒストン遺伝子のコード領域、5'領域、3'領域、スペーサー領域における塩基の組成、進化速度等を比較解析した。突然変異の効果がより大きく表れると考えられる3'領域や遺伝子間スペーサー領域の塩基組成は種間に大きな差はみられなかつた。それに対して4つのヒストン遺伝子の3番目のコドンの塩基組成は種間に違いがみられ、以前に解析を行ったH3遺伝子と同じ傾向を示していた。すなわち種間の違いはすべてのヒストン遺伝子で共通した傾向であった。これらの結果より、GC含量が高くなっているコドンの3番目の塩基組成にはAとTに対する負の自然選択が働いていることが示唆された。自然選択の効率は集団の大きさに依存し、過去にその影響を大きく受けた種とあまり受けなかった種があり、この差が現在観察される塩基組成の種間の差になっていると考えられる。さらに他の遺伝子領域の様子も詳しく調べ、協調進化のメカニズムを解明する計画である。
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Research Products
(1 results)