2005 Fiscal Year Annual Research Report
化石から見たヒト上科の出アフリカとユーラシアへの拡散
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15570193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國松 豊 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111)
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Keywords | ヒト上科 / 類人猿 / 東南アジア / 中新世 / 更新世 / 東アフリカ / ユーラシア / 化石 |
Research Abstract |
平成17年度には次のような研究をおこなった。 1)タイ王国出土の中新世化石類人猿の形態的研究を進めるとともに、産地のひとつであるタイ北部チェンムアン炭坑において野外調査を実施し、イノシシ科、マメジカ科など、類人猿と同時代に生息していた哺乳類化石の追加標本を採集した。また、タイ北部においてチェンマイ盆地からナン盆地の間の地域を広域的にまわり、各地の露頭の状況を調べた。 2)東南アジア更新世から報告されているオランウータン化石のうち、インドネシア産出の化石標本を中心に検討を加えた。また、東南アジアの原人化石産地では、咬耗した遊離大臼歯はしばしばヒトかオランウータンか判別が困難だという問題があるため、今回、ジャワ島のサンギラン遺跡から知られている遊離歯標本を詳細に調べ、個々の標本についてヒトかオランウータンかの推定をおこなった。 3)アフリカとユーラシアのあいだでおきた類人猿の拡散に密接に関連すると考えられるものに、ギリシアの後期中新世から知られている大型化石類人猿Ouranopithecus macedoniensisがある。Ouranopithecusは、現生アフリカ大型類人猿との関係も指摘されている。テッサロニキ大学のGeorge Koufos教授の許可を得る事がきたため、同教授の管理下にあるOuranopithecus標本を検討し、東アフリカの中新世化石類人猿との比較を実施した。 4)東アフリカの中新世霊長類化石の形態学的研究を継続的におこなった。特に、ケニヤピテクス類をはじめとする中期中新世の大型・小型類人猿、旧世界ザル化石を詳細に調べた。
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Research Products
(2 results)