2004 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞相同染色体組換えに係る遺伝子の機能の解明と育種への利用
Project/Area Number |
15580001
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
新関 稔 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (40001490)
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Keywords | 相同組換え遺伝子 / RiLIM15 / 培養細胞 / 減数分裂期 / サザンブロット解析 / エクソン / イントロン / 多重遺伝子族 |
Research Abstract |
イネ減数分裂期特異的相同組換え遺伝子RiLIM15の培養細胞における発現解析 前年、モチ、ウルチの遺伝子解析から、イネの培養細胞において体細胞相同組換えが認められたことから、DNA相同組換え遺伝子の関与が推察された。そこで、イネの減数分裂期特異的相同組換え遺伝子RiLIM15の培養細胞内での発現を中心に解析を行った。また、インド型イネ系統IR36より単離された同遺伝子について、その特徴に関してはほとんど知られていないためその基本的構造や発現に関する解析も同時に行った。 サザンブロット解析の結果、RiLIM15の内部構造は、日本型、インド型イネの間において保存性が高いことが示唆された。さらに、先に単離されたIR36 RiLIM15の制限酵素地図とは異なる構造を持つRiLIM15の相同配列が、イネゲノム内においてもう1コピー存在することが示唆された。そこで、日本型イネのBAC libraryより同遺伝子の単離を試みたところ、2種類のRiLIM15遺伝子RiLIM15A、RiLIM15Bを単離することができた。これら遺伝子の塩基配列を比較したところ、これらの間でコード領域内のエクソン領域では相同性が極めて高いが(95.3%)、イントロン領域では相同性が比較的低い(76.1%)ことが明らかとなった。一方、両遺伝子の推定アミノ酸配列を比較した結果、それらの相同性は極めて高く(98.2%)、両遺伝子は機能的に類似していることが示唆された。以上の結果から、RiLIM15は機能的に類似した2つの遺伝子から構成される多重遺伝子族であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)