2004 Fiscal Year Annual Research Report
タバコの雑種培養細胞におけるアポトーシス発現機構の解析と関連遺伝子群の探索
Project/Area Number |
15580003
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
丸橋 亘 茨城大学, 農学部, 教授 (00181826)
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Keywords | タバコ雑種培養細胞 / 雑種致死 / プログラム細胞死 / 薄層細胞培養 |
Research Abstract |
(1)薄層細胞培養法の開発と雑種致死PCDにおける細胞の連続観察 細胞レベルでの雑種致死の解析を行うため、薄層細胞培養法を開発した。これによりプログラム細胞死(PCD)を起こした特定の細胞の変化を連続観察できるようになった。タバコ雑種培養細胞は28℃処理後、3〜6時間目に核クロマチンの凝縮が起こり、同時期に液胞膜の崩壊が起きる。6〜9時間目に細胞膜の収縮が起こり、15時間以内に核膜内での核の断片化が進行する。PCDの連続した反応が捕られた。 (2)雑種致死PCDにおける決定過程の推定 PCDが進行する28℃条件に置かれた雑種培養細胞に対する転写・翻訳阻害剤処理により、致死が抑制されたことから、雑種致死は遺伝子が関与する反応系であることが証明された。また、28℃処理3時間目に致死を回避できるかできないかを決める不可逆点があることをみつけ、雑種致死を動物細胞のアポトーシスのように誘導、決定、実行の3ステージに分類できることが示された。さらに、雑種致死は、誘導及び決定過程からなる「雑種致死発動メカニズム」、植物PCD共通な実行過程である「植物PCD実行メカニズム」、高温条件で致死が回避される「高温致死回避メカニズム」という3つのメカニズムから成り立っていることを明らかにした。 (3)ステージ特異的な遺伝子発現から見た雑種致死メカニズムの特徴付け 雑種致死に関連する遺伝子群を探索するため、それぞれのメカニズムごとにcDNAサブトラクション法による遺伝子群の単離とReal-time PCR法による定量的発現解析を行った。この研究は現在進行中である。
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Research Products
(6 results)