2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネ科植物における自家不和合性遺伝子の単離と機能解析
Project/Area Number |
15580006
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
掛田 克行 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (50221867)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 康夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80024579)
|
Keywords | 自家不和合性 / S遺伝子 / Hordeum bulbosum / オオムギ / イネ科 / 連鎖分析 / 形質転換 / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
オオムギ近縁野生種、Hordeum bulbosum(2x)において、AMF(AFLP-based mRNA fingerprinting)分析によって検出された雌ずい側S遺伝子の有力候補クローンについて、2種類のS遺伝子ホモ型個体から完全長cDNAクローンを単離した。シークエンス解析の結果、当該クローンは分泌型のシグナル分子様タンパク質をコードすること、ならびに対立遺伝子間で非常に高度な多型を示すことが明らかとなった。このクローンの自家不和合性への関与を明らかにするため、RNAiコンストラクトを作成し、アグロバクテリウム法およびパーティクルガン法を用いてH.bulbosumに導入したが、形質転換体を得ることはできなかった。今後、H.bulbosumの形質転換体を得るためには、新規な遺伝子導入法を開発する必要があると考えられた。つぎに、葯のAMF分析から得られ、S遣伝子座との組換えが認められない1クローンについて、その5'側未知領域のクローニングを行った。シークエンス解析の結果、当該クローンはF-boxモチーフをもつタンパク質をコードすることが判明し、これは他の配偶体型自家不和合性植物(ナス科・バラ科)の花粉側S因子がF-boxタンパク質であることから注目された。今後、当該クローンの完全長cDNAクローンを単離するとともに、対立遺伝子間での塩基配列の多型性を明らかにする必要がある。さらに、二次元電気泳動法を用いてS遺伝子型特異的雌ずいタンパク質の探索を行ったところ、S遺伝子型間で多型を示し、S遺伝子座と密接に連鎖するタンパク質のクローンが単離された。このクローンはUniversal stress proteinと高い相同性を示すタンパク質をコードしていたが、雌ずい特異的な発現が認められないこと、ならびに対立遺伝子間での多型度が低いことから、S遺伝子ではないと結論された。
|
Research Products
(2 results)