2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤野 介延 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (80229020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 清 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60157203)
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Keywords | ソバ / アレルギー / アレルゲン / ルチン / 種子貯蔵タンパク質 |
Research Abstract |
ソバの受粉後14日の未熟種子cDNAライブラリーよりキウィのアレルゲン並びにゴムのアレルゲン遺伝子と相同性を示す遺伝子EL0847をクローニングした。EL0847遺伝子から予想されるアミノ酸配列から,グルタミン・アラニン・バリンを多く含み,αヘリックス構造をとる分子量16700のタンパク質と推定された.遺伝子の発現は種子発達の初期と発芽時に高くなった.この遺伝子を大腸菌のタンパク質発現系を用い,タンパク質を発現させ精製後,そばアレルギー患者の血清との反応を検討した.しかしながら患者血清中のIgE抗体と有意な反応は見られなかった. ソバ種子の有用成分であるルチンをケルセチンとルチノースに分解する酵素,ルチネースのN末端アミノ酸配列と相同性を示す遺伝子をクローニングした.相同性検索を行ったところ,アイのβ-glucosidase,チャのβ-primeverosidaseと相同性を示した.予想されるアミノ酸配列にはグルコース残基の酸性基質触媒として知られるNEPモチーフ,グルコース残基を認識する酵素の求核子TENGモチーフが存在した.このことよりクローニングした遺伝子はルチネースと推定された.しかしながら,この遺伝子を大腸菌のタンパク質発現系を用い,タンパク質を発現させ精製後,ルチンの分解活性を調べた.種子より精製したルチネースの活性と比較して大腸菌発現タンパク質の活性は非常に低かった.今後は発現系を代えて酵素活性の検定を行う.
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