2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580010
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤野 介延 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (80229020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 清 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60157203)
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Keywords | ソバ / アレルギー / アレルゲン / ルチン / 種子貯蔵タンパク質 |
Research Abstract |
ソバ種子の有用成分であるルチンをケルセチンとルチノースに分解する酵素,ルチネースのN末端アミノ酸配列と相同性を示す遺伝子をクローニングした.相同性検索を行ったところ,アイのβ-glucosidase,チャのβ-primeverosidaseと相同性を示した.予想されるアミノ酸配列にはグルコース残基の酸性基質触媒として知られるNEPモチーフ,グルコース残基を認識する酵素の求核子TENGモチーフが存在した.このことよりクローニングした遺伝子はルチネースと推定された.この遺伝子を大腸菌のタンパク質発現系を用い,タンパク質を発現させ精製後,ルチンの分解活性を調べた.種子より精製したルチネースの活性と比較して大腸菌発現タンパク質の活性は非常に低かった.クローニングした遺伝子の5'RACEを行い、5'側の塩基配列をあきらかにした。この部分にはシグナルペプチドとなる部分が含まれており、ルチネースは膜内あるいは細胞外へ移行することが考えられた。またこのことはルチネースが糖鎖修飾を受ける可能性を示唆しており、全長を酵母の系で発現させ、活性の検討をおこなった。ルチネースの細胞・組織内での局在性を調べるためにルチネースの一部を大腸菌で発現をさせ抗体を作製した。この抗体を用い、ダッタンソバ種子の可溶性タンパク質のウェスタンブロッティングを行ったところ2本のバンドが検出された。またゲノミックサザンを行った結果明瞭なバンドが2本検出された。このことからダッタンソバのルチネースはゲノム中に2コピー以上存在することが明らかとなった。
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