2003 Fiscal Year Annual Research Report
エクダイソン依存的転写への干渉を利用した幼若ホルモンレセプターの同定II
Project/Area Number |
15580040
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三浦 健 三重大学, 医学部, 講師 (60219582)
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Keywords | 幼若ホルモン / エクソダイン / レセプター |
Research Abstract |
昆虫の発育・生理・生殖は基本的に2種類の脂溶性のホルモン、エクダイソン(20E)と幼若ホルモン(JH)により制御されている。現在のところJHに関しては、はっきりとした標的遺伝子や応答配列すら報告されていない。本研究では、エクダイソンの分子レベルでの作用が、JHにより修飾・阻害されることに着目して、エクダイソンの作用を修飾阻害する可能性のある因子をクローニングして、JHレセプターを検索・同定し、その分子レベルでの作用に迫ることを目的としている。本年度は、既にcDNAをクローニングした蚊のarylhydrocarbon receptor (AhR)とそのヘテロダイマー形成のパートナーと考えられるArntをショウジョウバエのS2細胞に導入して、JH作用を仲介するかどうかを検討した。その結果、AhRのみを導入し、レポーターとしてダイオキシン応答配列を持つluciferase遺伝子を用いた場合に、培地に加えたJH IIIの濃度に依存してレポーター活性が上昇することを確認した。またこの系では他のnaturalなJH、合成JHアナログにも反応性が認められ、JHアナログのスクリーニングにおける有用性があきらかとなった。このモデル系の場合、必須の因子はAhR、ダイオキシン応答配列を持つレポーター、JHであった。しかし、AhRと酵母の転写因子・GAL4のDNA結合ドメインとの融合タンパクを作成し、レポーターとしてGAL4応答配列を用いた場合、JHへの反応性は消失し、またAhRの細胞内での局在性を調べたところ、JHの存在の有無に関わらず細胞質と核の両方に存在が認められた。以上のことから、AhR自身はJHレセプターではなく、別の経路でJHのシグナリングに関与することが示唆された。
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