2004 Fiscal Year Annual Research Report
エクダイソン依存的転写への干渉を利用した幼若ホルモンレセプターの同定II
Project/Area Number |
15580040
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三浦 健 三重大学, 医学部, 講師 (60219582)
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Keywords | 幼若ホルモン / 幼若ホルモンレセプター / ショウジョウバエ / Methoprene-tolerant |
Research Abstract |
幼若ホルモン(JH)はエクダイソン(Ec)とともに、昆虫の発育・生殖・生理を広く制御しているテルペン系のホルモンである。Ecの作用に関しては分子レベルでの理解が進んでいるが、JHに関しては知見が乏しいのが現状である。当研究ではJHの分子レベルでの作用機構を明らかにするため、蚊およびショウジョウバエを材料として以下の実験を行った。まず、JHがEcの作用を修飾・阻害する例が知られていることに基づいて、JH依存的にEcの作用に遺伝子発現調節レベルで干渉する候補因子として、蚊のダイオキシンレセプター(Ahr)の機能解析を行った。Ahrを強制発現させたショウジョウバエ由来の培養細胞・S2において、培養液にJHあるいはその合成アナログ(JHA)を加えると、ダイオキシン応答配列(XRE)を持つレポーター遺伝子からの転写が増強されたが、研究を進めるとAhrは直接にはXREに結合しないことが明らかとなり、この系におけるAhrのJH依存的な効果は間接的なものであることが示唆された。S2細胞におけるJH作用の仲介者を探索した結果、ショウジョウバエのMethoprene-tolerant(Met)遺伝子にたどり着き、その産物・METの機能解析を行い、以下の結果を得た:1)METはJHIIIをnMレベルの親和性で結合する;2)METを酵母の転写因子・GAL4のDNA結合ドメインとの融合タンパクとしてS2細胞で発現させると、培養液に加えたJHあるいはJHAに反応して、GAL4応答配列を持つレポーターからの転写が、濃度依存的に活性化される;3)METの細胞内局在性はJHの有無に関わらず核である。以上の結果からMETはJHレセプターであることが強く示唆された。
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Research Products
(1 results)