2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580044
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Research Institution | RIKEN (The Institute of Physical and Chemical Research) |
Principal Investigator |
姜 媛瓊 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 先任研究員 (30291917)
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Keywords | BmNPV / BRO / 核外輸送 / 相互作用 / ORF8 / IE1 |
Research Abstract |
本研究では、カイコを宿主とするカイコ核多角体病ウイルス(BmNPV)を用いて、バキュロウイルス感染時に行われる宿主制御を細胞レベルにおいて解析する。前年度の解析より、BmNPVのBROタンパク質はnuclear export signal(NES)として機能する配列をもっており、BROの核外輸送は核外輸送因子であるCRM1に依存していることが示唆された。そこで、NESへの変異がウイルス感染に及ぼす影響を調べるため、NESに変異をもつBRO-Dを発現する変異ウイルスを作製し、解析に用いた。結果、トランスフェクションの時とは異なり、核内へ蓄積せず核と細胞質の両方に局在を示したことから、ウイルスの他の遺伝子産物が阻害されたBRO-Dの核外輸送機能を補っていることが示唆された。しかし、タンパク質の発現が少し抑制されており、RT-PCR法を用いた解析からこの抑制はRNA合成の抑制によるものであることが示された。次に、CRM1と結合するウイルスの他の遺伝子産物を同定するため、酵母2-ハイブリッドスクリーニングを行った。結果、ウイルスのキャプシドタンパク質であるvp39が相互作用する相手として得られたので、解析を行っている。一方、ウイルス増殖の場所と考えられる核内の特定領域に局在を示すorf8遺伝子と相互作用する因子の同定を試みた結果、4つの宿主タンパク質とウイルス由来のIE1を得ることできた。そこで、緑色蛍光タンパク質(GFP)を癒合させたORF8を用いて局在の詳細を調べた結果、IE1とhrによってORF8の点状局在が促進されることがわかった。
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Research Products
(2 results)