2005 Fiscal Year Annual Research Report
木本性植物におけるアルミニウムの体内解毒機構の解明
Project/Area Number |
15580047
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
森田 明雄 静岡大学, 農学部, 教授 (20324337)
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Keywords | チャ / ユーカリ / アルミニウム / 培養細胞 |
Research Abstract |
Al(0〜4mM)を含む培養液で水耕栽培したチャの可溶態Al含量とF、有機酸(シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸)含量及びカテキン類含量との関係を調べたところ、根ではシュウ酸とクエン酸が、葉においてはシュウ酸とEGCが可溶態Al含量との間に有意な正の相関関係を示し、チャの体内でこれらのAlリガンド物質がAl解毒機構に関与している可能性が示唆された。次に、0.4mM Alを含む培養液で水耕栽培したチャの根端と、根端から抽出したcell sap(CS液)の^<27>Al-NMRスペクトルが一致したため、0.4、1、4mM Al処理したチャの根端のCS液の成分分析を行った。その結果Al-シュウ酸-FおよびAl-シュウ酸複合体の存在の可能性が示唆された。また、Al処理濃度が高くなるとAl-シュウ酸複合体の割合が増加し、Al濃度に伴いAl存在形態も変化することが明らかとなった。また、ユーカリの根端の^<27>Al-NMRのケミカルシフト値やCS液の成分分析結果から、Al-クエン酸複合体の存在が示唆された。 0.4、1および4mM Al処理したチャの挿し木苗の新葉を^<27>Al-NMR分析したところ、Al-リンゴ酸、さらにAl-EGC複合体とケミカルシフト値が近い2つのピークが得られた。しかし、Al-EGCについては標準溶液のピークの形と異なるため、その存在について判然としなかった。また、チャの培養細胞について^<27>Al-NMR分析を行ったところ、Al-シュウ酸-FおよびAl-EC複合体とケミカルシフト値が近い2つのピークが得られた。しかし、新葉、培養細胞ともintactとCS液のNMRスペクトルは一致せず、Al存在形態を明確にすることはできなかった。 一方、タバコとユーカリの培養細胞についても^<27>Al-NMR分析を行い、タバコはAl-シュウ酸、ユーカリはAl-クエン酸複合体の存在が示唆された。
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