2004 Fiscal Year Annual Research Report
ミミズ腸管内における窒素固定遺伝子の発現と水平伝達の解析
Project/Area Number |
15580052
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小沢 隆司 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (20152481)
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Keywords | ミミズ / 窒素固定 / 肥沃土壌 / 腸内細菌 / 植物生育促進 / 土壌動物 / Azospirillum / 微生物群集構造 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究成果が得られた。 1.前年度に引き続き、土壌の^<15>N自然存在比(δ^<15>N)を測定した。フトミミズを飼育することによって土壌のδ^<15>Nが低下することを再確認した。実測した土壌全窒素の増加量が窒素固定に由来するものと考えるとこのδ^<15>Nの低下量をよく説明できた。 2.フトミミズを入れた土壌を10%C_2H_2気相下で1日間培養し、その間に生成したC_2H_4を測定した。フトミミズを入れなかった対照土壌に比べ有意に高いアセチレン還元活性が得られた。 3.フトミミズを入れた土壌を^<15>Nで標識したN_2-O_2-Ar気相下で1週間培養し、土壌の^<15>N存在比を測定した。フトミミズを入れなかった対照土壌に比べ有意に高いδ^<15>N値が得られた。この結果、上記1、2項とあわせて、フトミミズを添加することによって土壌の窒素固定活性が増大し、土壌窒素含量が増加することが確認された。 4.フトミミズを飼育した土壌およびフトミミズの糞よりDNAを抽出し、これを鋳型にしてPCRによりnifHの部分配列を増幅し、増幅産物を変成剤濃度勾配電気泳動法(DGGE)によって解析した。DGGEゲル上のバンドパターンと各バンドから抽出したnifH断片の塩基配列を調べた結果、土壌の窒素固定細菌群がフトミミズを添加することによって多様化することを明らかにした。 5.当初計画していたnifH遺伝子の水平伝達解析用マーカー菌の作成は現在まだ完了していない。最終年度に実施する予定である。
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Research Products
(1 results)