2004 Fiscal Year Annual Research Report
ピロロキノリンキノン生合成酵素の立体構造・反応機構解析
Project/Area Number |
15580064
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
外山 博英 山口大学, 農学部, 助教授 (60240884)
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Keywords | pyrroloquinoline quinone / PQQ / biosynthesis |
Research Abstract |
ピロロキノリンキノン(PQQ)は、グラム陰性菌のペリプラズムに見出される、NADやフラビンに依存しない種々の酸化還元脱水素酵素の補欠分子族である。生合成に関与する遺伝子がいくつかの細菌からクローニングされ、6つないし7っの構造遺伝子(pqqABCDEFG)が同定されている。pqqC変異株は生合成中間体を蓄積し、大腸菌内で発現させ精製したPqqCが試験管内でPQQへ変換できることを明らかとし、また生合成中間体の化学構造も決定した。この変換反応が酵素反応的に進行するためにはNADPHと未同定の活性化タンパク質因子(ActF)が必須であるが、その代わりにジチオスレイトール(DTT)が単独でPqqC反応を活性化できることを明らかとした。この反応についてさらに詳しく検討した。 Methylobacterium extorquens AM1ではPqqCとPqqDは融合タンパク質PqqC/Dとして生産される。精製したPqqC/DとPQQを混合しゲルろ過すると複合体を形成して溶出されるが、溶出液にDTTを加えると複合体は形成せず分離して溶出された。Klebsiella pneumoniaeのPqqCでは、DTT存在下でも一部複合体を形成していた。DTTはPQQを還元することから、PqqC/Dは酸化型PQQと強固に結合するが、還元型PQQとは結合力が弱いことが示唆された。PQQとの結合過程をタンパク質の蛍光強度変化で追跡でき、それぞれの結合定数を明らかにした。部分精製したActFは、PQQ依存的にNADPH酸化活性を示した。ActFはPQQを還元することで生成物阻害を緩和し、その結果試験管内でのPqqC活性を促進するものと考えられた。PqqDは還元型PQQとPqqCとの結合力を低下するように働くことが予想された。
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Research Products
(4 results)