2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能X線結晶構造解析に基づくエンドポリガラクツロナーゼの反応機構の解明
Project/Area Number |
15580072
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
宮入 一夫 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10003526)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 博章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (90204487)
吉田 孝 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (80200997)
|
Keywords | エンドポリガラクツロナーゼ / Stereum purpureum / 一般酸塩基触媒 / X線結晶構造解析 / 原子分解能 / ペクチナーゼ |
Research Abstract |
○pH2.5でのEndoPG IのX線結晶構造解析による一般塩基触媒の推測 生成物との複合体結晶解析から当初Asp174とAsp153が一般塩基触媒候補と考えられていた。そこでpΚalの4.35よりはるかに低いpH2.5では、一般塩基触媒はプロトン化しているはずである。pH2.5でのX線結晶構造解析の結果、Asp153のみがプロトン化しているのが観察された。この結果からAsp153が一般塩基触媒である可能性が極めて高いことがわかった。 ○変異体酵素の作成とその解析 エンドポリガラクツロナーゼに保存されていると考えられるAsp153,156,173,174の変異体酵素をQuikChangeIIシステムを用いた部位特異的変異導入法により作成した。用いたベクターはpE T11b、宿主大腸菌はOrigamiによった。作成された4種類の変異体酵素には全くPG活性はみとめられなかった。したがって、一般酸触媒のAsp173、一般塩基触媒のAsp153は当然であるが、Asp156はAsp153とLow-Barrier-Hydrogen-Bondを形成しており、Asp153と密接な関係があることによるとおもわれる。また、基質認識にはサブサイト+1のカルボキシル基の認識に3つの塩基性アミノ酸が重要であり、これらの静電作用が+1の親和力の強さを反映していると考えられる。 ○変異体酵素(D173N)の複合体結晶のX線結晶構造解析 一般酸触媒のAsp173については変異体酵素(D173N)と6Ga1Aの共結晶により複合体を作成し、X線結晶構造解析を行った。その結果サブサイトは+1から-4まで5つあることが明らかにされた。また、サブサイト-1のGa1Aの歪みが予想より小さかったが、これはD173Nの影響と考えられる。
|