2003 Fiscal Year Annual Research Report
分泌タンパク質MFG-E8を介した細胞外分泌膜小胞の生成機構および機能解析
Project/Area Number |
15580075
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 直人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40242846)
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Keywords | MFG-E8 / 膜小胞 / discoidin domain |
Research Abstract |
膜小胞が培養上清中に分泌される現象を一般化するために、現有の抗MFG-E8抗体を用いたスクリーニングを実施しようと試みたが、ヒトをはじめとする他種由来の分子に対する交差性を示さないことから、急遽ヒトMFG-E8に対する抗体を作成した。ヒトMFG-E8 cDNAをRT-PCRにより増幅し、N末端部分に相当する部分をpETベクターにin-frameでつなぎ、大腸菌内でチオレドキシン融合タンパク質として発現させ、常法により精製した後ウサギに免役し、高力価の抗体を得た。これら抗体を用いてMFG-E8を含む膜小胞の存在の有無を調べた結果、検出されるMFG-E8量には多少の差があるものの、NIH3T3繊維芽細胞、C2C12筋芽細胞、RAWマクロファージ細胞、3T3-L1前駆脂肪細胞(以上マウス由来)、HEK293細胞、Caco-2大腸ガン由来上皮細胞、MCF7乳ガン由来上皮細胞(以上ヒト由来)によりconditionされた培養上清中に膜小胞が分泌されることが明らかとなり、膜小胞分泌は一部の限られた細胞種で見られる現象ではないことが強く示唆された。特にHEK293やCaco-2から分泌される膜小胞は多く、MFG-E8の他にも多くのタンパク質が存在することを高解像度の電気泳動法と銀染色法を組み合わせることにより見出しており、現在質量分析計を用いたこれら分子の同定を試みるための準備をしている。 また膜小胞分泌におけるMFG-E8のもつD-domainの機能解析を行うために、D-domain (D1およびD2)をタンデムに並んだ形で単独に発現する発現プラスミド、シグナル配列を持つ分泌性タンパク質(例えばαLactoalbumin)のC末端側にD1あるいはD2-domainを単独あるいはタンデムに並んだ形で付加した発現プラスミドを構築した。現在COS7に導入し解析を実施している。また同時にレトロウィルスを介した導入のためのコンストラクトも構築済みである。
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