2005 Fiscal Year Annual Research Report
アミロペクチンの3Dクラスタ-モデルの構築-生合成酵素遺伝子の発現を探る
Project/Area Number |
15580082
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
花城 勲 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30336325)
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Keywords | 澱粉 / アミロペクチン / クラスター / 蛍光標識法 |
Research Abstract |
1.アミロペクチンの分子量と数分布の測定 蛍光標識したアミロペクチンをHPSEC法により測定し、数分布を調べる方法の検討を前年度に引き続き行った。溶媒組成、添加する塩の種類・濃度等、種々の条件を検討したが、二成分以上に分離する条件を見出すことは困難であった。 2.アミロペクチンの分岐構造の解析 アミロペクチンのホスホリラーゼ・β-アミラーゼ限界デキストリン(Φ,β-LD)の微量スケールでの調製方法およびこれを完全に枝切りする条件を確立し、蛍光標識/HPSEC法により鎖長分布を調べた。Φ,β-LDの鎖長分布は植物種で異なり、鎖長分布をAおよびB1〜B3の4画分に分画して比較すると、A/B1や(A+B1)/(B2+B3)のモル比は植物種起源や澱粉粒の結晶形との間に関連性が認められた。この結果は、以前に行ったβ-アミラーゼ限界デキストリンあるいはホスホリラーゼ限界デキストリンを用いた解析結果と矛盾しないことが確かめられた。また、解析の目的によって、これらのデキストリンを使い分ける必要があることが判明した。 3.クラスターモデルの構築 上の結果をもとに、 B鎖に結合する側鎖の数や分岐の内部鎖長、分岐結合間隔などを考慮してアミロペクチンのクラスターモデルを構築した。澱粉粒の結晶形がA形を示すものとB形を示すものとでは、構築したモデルの特徴は大きく異なり、結晶形と分岐構造との関連としてこれまで知られていた、クラスターを構成する単位鎖の平均鎖長が異なるのみならず、クラスター内での分岐結合の位置とその分布も明確に異なると結論づけた。
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