2004 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素消去発光分析による疾患予防と治療のための医療補助食品の創出
Project/Area Number |
15580100
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉城 由美子 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (50311551)
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Keywords | 活性酸素 / 化学発光 / 抗酸化物質 / 大豆 |
Research Abstract |
生体内必須成分である不飽和脂肪酸やDNAを標的とした酸化的細胞障害を引き起こさないために、生体内には常に適度な防御機能が働いている。しかしながら、老年期、ストレス負荷時、疾病時にはこれら防御機能の低下がおこる。当該研究ではheatストレス条件下におけるミトコンドリアからO_2が発生しその発生率が顕著に増加することを明らかにした。これら結果から疾病時、ストレス負荷時には外因性あるいは食事性の抗酸化物質の取り込みの重要性が示唆された。そこで、これまで疾病に至るまでのプロセスで同一視されてきた食品の抗酸化性をその機能により1)予防的抗酸化能、2)補足型抗酸化能、3)保護型抗酸化能、4)再生型抗酸化能、の4種に細分化する概念を導入し再検討した。その結果、味噌、納豆は典型的な補足型抗酸化食品であったのに対し、テンペは保護型抗酸化食品であった。特に醤油および豆乳は予防型、補足型、保護型抗酸化作用を合わせ持ち、総合的に優れた抗酸化食品であることを明らかにした。大豆配糖体成分の予防型抗酸化作用を明らかにしたことから、そのキレート作用を利用した分画法を確立した。大豆配糖体成分は精製が困難であり、生理活性実験の範囲が限られている。当該研究で確立した分画法はグラム単位で精製配糖体を得ることができることから、大豆配糖体成分の生理活性解明に大いに貢献することができる。その一つとして大豆配当体成分の抗酸化能を調べた結果、再生型抗酸化能の一つである放射線防御作用をin vivo実験で確認することができ、腸癌に対する大豆食品の有用性が示唆された。これら一連の研究から、食品を薬物治療の補助的な位置へ向上させるためには、食品の機能性についてさらに細分化した考え方の必要性が生じてきていることが示唆された。
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