2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580110
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
中山 勉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50150199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 晶 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80172245)
熊澤 茂則 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (10295561)
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Keywords | ポリフェノール / カテキン類 / イソフラボン / リポソーム / 固体NMR / 抗菌性 / 脂質二重層 / (+)-catechin |
Research Abstract |
1.カテキン誘導体の抗菌活性と脂質二重層への作用 アルキル鎖の炭素数が異なる(n=1〜10)アルデヒドと(+)-カテキンからカテキン誘導体を合成した。これらの物質のグラム陽性菌に対する抗菌性を調べたところ、アルキル鎖の炭素数の増大にともなって抗菌性が高くなった。その理由を探るため、モデル脂質膜としてリポソームを用い、カテキン誘導体の脂質二重層への作用を調べた。リポソームへの取り込み率は、(+)-カテキンに比べ、誘導体のアルキル鎖が長くなるほど増加し、C3以上のアルキル鎖を持つ誘導体では100%近く取り込まれた。リポソーム内部に蛍光物質であるカルセインを封入し、カテキン誘導体添加時のカルセイン漏出率を測定した。C4以上のアルキル鎖が結合した誘導体ではカルセインの漏出を顕著に促進した。以上の結果より、カテキンの誘導化による抗菌性の増強は細菌膜への損傷を高めることが一因であると考えられる。 2.固体NMRによるEGCgと脂質二重層との相互作用の解析 4位を^2HでラベルしたEGCgをバイセル膜に組み込んで固体^2H-NMRを測定した。その結果、粉末線形の垂直成分に相当する配向線のみが観測され、EGCgが膜に対して1種類の分子配向を示すことが明らかになった。さらに、脂質膜に強く結合したEGCgは、回転運動の対象軸からC-^2H軸が48度傾いた方向を向いて動的に配向していることが明らかになった。 3.インフラボン類の脂質二重層への親和性における構造活性相関 様々な構造のインフラボン類とその配糖体を用いて、リポソームへの取り込み率から脂質二重層への親和性を数値化した。一般的に配糖体よりアグリコンの方が親和性が高く、ダイゼインよりゲニステインの方が親和性が高かった。これはA環5位の水酸基の存在がむしろ脂溶性を高めていることを示している。
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[Publications] Ryuichi Kato: "Affinity of isoflavonoids for lipid bilayers evaluated with liposomal systems"BioFactors. 19・3,4. 179-187 (2003)
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[Publications] Katsuko Kajiya: "Relationship between antibacterial activity of (+)-catechin derivatives and their interaction with a model membrane"J.Agric.Food.Chem.. 52・6. 1514-1519 (2004)