2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580111
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
熊澤 茂則 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (10295561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 勉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50150199)
下位 香代子 静岡県立大学, 環境科学研究所, 教授 (10162728)
中村 純 玉川大学, 学術研究所, 助教授 (30256002)
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Keywords | プロポリス / 起源植物 / 抗酸化活性 / 酵素阻害活性 / 体内動態 |
Research Abstract |
プロポリスはミツバチが周辺の植物を集めて作った樹脂状物質のことである。本研究では、プロポリスとその起源植物に関し、化学的および生物学的アプローチから、構成成分、生理活性、成分の体内動態を明らかにすることを目的に研究を実施した。今年度は、研究があまり行われていない韓国産と中国産のプロポリスの成分分析を中心に研究を進めた。すなわち、各地域で採取されたプロポリス試料を溶媒抽出し、構成成分について、HPLCによって詳細に分析し、抗酸化活性などとの関連性について考察した。その結果、韓国の済州島産のプロポリスに他産地には見られない特異的な成分が含まれていることを見出した。これらの成分は、単離、精製後、NMRやMSなどの機器分析によって構造決定を行い、新規化合物を含むカルコン類であることが明らかとなった。これらの化合物はリポキシゲナーゼに対する強い酵素阻害活性も有していた。中国産プロポリスについては、中国各地で採取される試料の成分組成の違いを明らかにすることができた。特に、海南島産のプロポリスには他産地には見られない成分が含まれていることを見出した。プロポリス成分の体内動態に関する研究に関しては、ブラジル産のプロポリスをラットに経口投与し、一定時間後に血液と尿を採取して、そこに含まれる成分の分析を行った。その結果、血液と尿中からは代表的なプロポリス由来の成分であるアルテピリンCは検出されなかった。このことより、アルテピリンCは血中に取り込まれにくい化合物であることが示唆された。
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