2003 Fiscal Year Annual Research Report
小麦アレルゲンにおける共通抗原性を有する糖鎖に関する研究
Project/Area Number |
15580112
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
辻 英明 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (20093875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比江守 美樹 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (80326412)
木本 眞順美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
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Keywords | wheat allergen / Tri a Bd 17K / Tri a Bd 27K / Tri a Bd 36K / sugar chain / allergenicity / common antigen |
Research Abstract |
小麦においては15種類のアレルゲンを見出しており、そのうち、Tri a Bd 17K、Tri a Bd27 KならびにTri a Bd 36Kが主要なアレルゲンであることを既に明らかにしている。しかも、これらはいずれもアスパラギン結合型糖タンパク質である。また、Tri a Bd 17Kはα-アミラーゼインヒビターCM16であることならびにTri a Bd 36Kはペルオキシダーゼであることが判明している。本年度においては、Tri a Bd 17KとTri a Bd27 Kについて研究を遂行した。 1)Tri a Bd 17Kについての研究 本アレルゲンの糖鎖の構造を明らかにするためには、それを大量に確保することが必要なので、Qセファロースクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、HPLCを用いる大量調製法を検討し、その条件設定を行った。また、精製された本アレルゲンの糖鎖の性質について現在検討しているところである。 2)Tri a Bd27 Kに関する研究 本アレルゲンの分布を明らかにするために、それに対する3種類のモノクローナル抗体を作製した。次いで、小麦における塩可溶性タンパク質画分について2次元電気泳動を行った後、これらの抗体を用いるイムノブロットにより本アレルゲンについて分析したところ、これらの抗体と反応する4種類のタンパク質成分が認められ、そのうち、2つのタンパク質が患者血清と反応することが明らかになった。これらの反応性の違いが糖鎖とどのように関連しているかについて、現在検討しているところである。
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