2005 Fiscal Year Annual Research Report
栄養補助食品(および飼料)スピルリナの栄養欠点の克服に関する研究
Project/Area Number |
15580113
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
渡辺 文雄 高知女子大学, 生活科学部, 教授 (30210941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 恵美 高知女子大学, 生活科学部, 助手 (30290498)
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Keywords | 栄養補助食品 / スピルリナ / ビタミンB_<12> / コリノイド化合物 / メチオニン合成酵素 / 補酵素 / metH遺伝子 / 藍藻 |
Research Abstract |
平成15〜16年度の結果から,Spirulina platensisは培地中のCoSO_4を取り込み,シュードB_<12>の生合成能を有することを明にした.そこで,本年度はCoSO_4添加細胞におけるコリノイド化合物の細胞内局在と生理機能を検討した.その結果,コリノイド化合物は可溶性画分に54%,膜画分に46%局在していた.可溶性画分にコリノイド結合タンパク質が存在するかどうか検討するためにゲル濾過を行ったところ,Void画分,150kDa画分,90kDa画分,33kDa画分,27kDa画分,遊離コリノイド画分に溶出された.ゲル濾過150kDa画分がB_<12>酵素であるメチオニン合成酵素(MS)とメチルマロニルCoAムターゼ(MCM)の分子量と一致していたことから,ゲル濾過150kDa画分と細胞抽出液中の両酵素活性を測定した.その結果,細胞抽出液中にMS活性が検出されたが150kDa画分において本酵素活性は検出されなかった.また,MCM活性は両画分ともに検出されなかった.S.platensis細胞抽出液中にMS活性が検出されたことから,本酵素遺伝子の同定とクローニングを行った.その結果,得られたOpen Reading Frameは3549塩基からなり,推定されるアミノ酸配列は1183残基であった.配列中には,ホモシステイン結合部位,B_<12>結合部位,触媒活性に要求される亜鉛結合部位,還元的再活性化に必要なS-アデノシルメチオニン結合部位が他の生物由来のMSと同様に,完全に保存されていた.以上のことより,S.platensisにはMSが存在し,シュードB_<12>はMSの補酵素として機能していることが示唆された.今後,大量発現用ベクターに挿入したプラスミドで大量発現系の構築を行い,E.coli,哺乳類,藍藻の酵素化学的な性質の相違を検討する必要がある.
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