2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580118
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
高野 良 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 教授 (40163232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 秀計 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80241298)
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Keywords | アガロース / カラギーナン / 硫酸化多糖 / 脱硫酸化 / 溶液特性 / 糖鎖構造 |
Research Abstract |
1.紅藻ハナフノリ(Gloiopeltis complanata)多糖の単離精製 沖縄県で食用とされる表記紅藻(現地呼称フヌイ)より、多糖フノランをヘキサデシルピリジニウム塩として単離し、さらに塩化カリウムによるゲル化力の相違による分画、アルカリによる反応により、理想的なアガロース6-硫酸を得ることに成功した。 2.多糖の脱硫酸化法の確立とβ-カラギーナンの調整 単糖において有効であった、シリル化試薬4-トリメチルシリロキシ-3-ペンテン-2-オンを硫酸化多糖に適用し多糖の脱硫酸化法を確立した。同方法をガラクトース(Gal)残基の4位に硫酸基を持つκ-カラギーナンに適用し、硫酸基のないβ-カラギーナンを得ることに成功した。 3.アガロースおよびアガロース6-硫酸分解物中の四糖のキャラクタリゼーション 市販アガロースおよびアガロース6-硫酸を部分メタノリシスし四糖を得た。各種分析の結果これは3-結合D-Galと4結合3,6-アンヒドロ-L-ガラクトース(AnGal)が交互反復するが、糖鎖内D-Gal残基のO-3,O-4と-L-AnGal残基のC-1の間に分子内環状アセタールをもつ特殊な構造と判明した。L-AnGal残基を光学対掌体で置換した骨格の市販κ-カラギーナンおよび上記で得たβ-カラギーナンを部分メタノリシスしても四糖は生じなかった。これより上記四糖はアガロース中のAnGal残基のO-5とGal残基のO-4の間に水素結合等の相互作用があるという従来の予想を裏付けるものと考えられた。 4.フノランの橋かけ反応 高親水性の網目高分子の作製のためフノランの化学的橋かけ反応を試みたが、アガロースがされゲルが生成する条件ではフノランは橋かけされなかった。また、硫酸基をもつκ-およびλ-カラギーナンも橋かけされなかった。反応条件をさらにリファインするとともに、同反応を阻害する原因が硫酸基であるか、官能基の立体的位置や多糖のコンホメーションであるのかを現在検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ngyen Tien Huy, Ryo Takano, Saburo Hara, Kaeko Kamei: "Enhancement of heme-induced membrane damage by the anti-malarial clotrimazole : the role of colloid-osmotic forces"Biol.Pharm.Bull.. 27(3). 361-365 (2004)
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[Publications] Xiao-feng Wu, Ya-xiang Xu, Guo-xin Shen, Kaeko Kamei, Ryo Takano, Saburo Hara: "Surface plasmon resonance analysis to evaluate the importance of heparin sulfate groups' binding with human aFGF and bFGF"J.Zhejang Univ.Sci.. 4(1). 86-94 (2003)
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[Publications] Thanh, T.T.T., Yuguchi, Y., Mimura, M., Yasunaga, H., Urakawa, H., Kajiwara, K.: "Molecular characteristics of native heparin and regioselectively desulfated heparin : The effect of sulfate substituents on their conformation"Adv.Nat.Sci.. 1. 43-54 (2003)