2005 Fiscal Year Annual Research Report
広葉樹林地帯における現存量および二酸化炭素固定量の推定
Project/Area Number |
15580121
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
龍原 哲 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (40227103)
|
Keywords | 生物量 / 成長量 / 広葉樹林 / 地理情報システム / 地形 |
Research Abstract |
ミズナラが優占する二次林を対象とし、高齢の落葉広葉樹二次林が成長によってどの程度二酸化炭素を吸収しているのかを推定すると共に、特に樹冠表面積と生物量成長量との間の関係を検討した。まず、落葉広葉樹二次林内に設置されたプロットについて再度、全立木の胸高直径及び樹高を測定した。プロットの周囲から資料木を選択し、樹冠表面積を測定の後、伐採した。資料木の幹・枝・葉・根各部分の生物量を測定すると共に、幹の円板を採取し、幹部の成長量を求めた。また、根部については試料根の測定値を利用して切れた根の切断面の直径から失われた部分を推定するための式を導き、失われた部分を含めたすべての根の生物量を推定した。樹冠表面積の測定値と生物量成長量との間に対数式を適用した結果、両者の間に高い相関関係が認められた。また、今回の測定結果と過去の測定結果から各プロットにおける炭素蓄積量および二酸化炭素吸収量を推定した。 新潟県旧上川村にあるブナ、ミズナラ、コナラが優占する落葉広葉樹林内を対象とし、葉生物量と葉面積指数を広範囲に渡って推定する手法を検討した。落葉広葉樹二次林及び原生林内に設置されたプロット内にリタートラップを設置し、定期的に落葉量を測定することにより各プロットの葉量を推定した。各プロットの地形要因(標高、斜面方位、斜面傾斜角)と葉量(葉生物量、葉面積指数)との関係を数量化I類によって分析した。葉生物量は標高と最も強い関係を示し、斜面方位、斜面傾斜角との関係も認められた。葉面積指数は標高と最も強い関係を示し、斜面傾斜角との関係も認められた。その結果、地形要因から葉量を推定する式が導かれた。地理情報システム(GIS)を用いて、数値地形モデル(DEM)から地形要因を求め、導かれた式を利用して地形要因から対象地全体の葉量を推定した。
|
Research Products
(2 results)