2003 Fiscal Year Annual Research Report
森林資源の減少と土地開発の進展が湖沼の水産資源に及ぼす影響の評価
Project/Area Number |
15580132
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳井 清治 北海道工業大学, 工学部, 教授 (20337009)
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Keywords | 浮遊土砂 / 土地利用 / 湖沼 / 森林 / GIS / 地質 / 網走 / 水産資源 |
Research Abstract |
本年度は北海道東部網走湖に注ぐ網走川流域を研究対象地として設定し,GISによる流域土地利用の時系列解析,および湖沼に流入する河川水に含まれる土砂流出実態の調査を行った.この流域では,2003年8月9〜10日にかけて台風の通過にともない,79mmの連続降雨が発生した.これに対し,網走川本流7地点,網走川支流11地点を採水地として設定し,台風通過後のピーク時,翌日,1週間後に採水を行った。またGISにより国土数値情報の土地利用図(平成9年)と地質図(1kmメッシュ),50mメッシュ標高地図(国土地理院発行)を利用し,各支流域における森林率,農地率,岩石の硬度別の占有率,断層の多寡,斜面傾斜の占有率などを求めた. 降雨時における網走川本流域でのSSは,全ての採水地点で1500〜2000mg/lと高く,支流域では左岸域の急勾配の森林流域が1500〜2000mg/lと高い値となった。このSS濃度は台風通過直後に最も高く,その後の時間経過とともに10〜30mg/lに激減する傾向が見られた。また土砂の発生源は土地利用,とくに森林率との関係は見られず,泥岩質で破砕の受けている流域で高いという傾向が見られた.これらの流域では,渓岸の崩壊地や作業道が土砂源になっている可能性があり,注意深く林地を取り扱う必要がある.また支流から生産された高濃度のSSは本流で高く,湖末端で濃度が激減することから,大部分の浮遊土砂が湖に堆積したことが明らかになった.こうした土砂堆積は,湖の水産資源に大きく影響すると考えられ,次年度以降その影響を実験的に解明する予定である.
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Research Products
(1 results)