2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580145
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内迫 貴幸 三重大学, 生物資源学部, 助手 (80232841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 迪夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50012018)
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Keywords | 木材 / 建築解体材 / 再利用 / 接合具 / 解体作業 |
Research Abstract |
1.接合具の解体作業能率の調査 対象は木造で一般的な釘と木ねじの2種類で、それぞれ接合具長の異なる3種類について調べた。部材は105mm正角のスギとベイマツで、ハンマとくぎ抜き(釘)、インパクトドライバ(木ネジ)を用いて、接合具(10本)の取外し(取付け)作業にかかる作業時間、作業前後の作業者の心拍数変化を測定した。予備作業を経験した主として20代の男女6名について調べた結果、釘は木ネジに比べ取外しに時間がかかり、釘長が長いほど負担も大きくなるのが認められた。スギに比べ密度の大きいベイマツは、概して作業時間が長かったが、電動工具を用いた木ネジの場合、ネジ長の違いや樹種による差は小さい。また別途行った木ネジ接合金物の取外し作業では、施工時に十字穴が潰れたものや、取外しの際にネジ頭が破断するものが存在し、これらの取外しは困難を極めた。すなわち木ネジの場合、施工時の取付けの良否や、接合具の強度について再考の余地があることがわかった 2.再利用材の材質調査 解体作業において予め不良部材の特定ができれば、当該部材について手作業による丁寧な解体の必要がない。本年は雨ざらしで約5年を経た壁長1820×1820(mm)、高さ2730mmの軸組み(材;スギ)について、解体前の簡易な欠陥材識別方法を検討した。具体的には解体前後の部材のたわみ振動法による共振周波数を求め、材質や接合部劣化を示す指標としての可能性を調べた。解体前の接合状態をピンと剛の2通りで評価し、解体前後で計算した部材のヤング係数Eを比較すると、長尺(柱)で劣化の程度が小さい材ほど前後のEに大きな差がなく、Eが小さい方が剛接合の評価に近づいた。Eが大きい材ほど解体前にピンと剛の中間的な値を示し、短尺(桁)で劣化が顕著な材では、ばらつきや解体前後の差がかなり大きいことがわかった。
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