2004 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県における外来魚の侵入と生態系の攪乱に関する研究
Project/Area Number |
15580169
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
立原 一憲 琉球大学, 理学部, 助教授 (70264471)
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Keywords | 沖縄県 / 外来魚 / 生態系 / 年令査定 / ジルテラピア |
Research Abstract |
沖縄県島の88河川と久米島および与那国島で魚類を採集した。採集物は10%ホルマリンで固定後,研究室に持ち帰り,同定した。また,南風原ダムで毎月、ジルテラピアを採集し、体長と体重を計測後,耳石を摘出し、年齢を査定した。 沖縄島:従来記録されていなかった移入魚2種が新たに確認された。レッドドラムは近年,沖縄島で海面養殖が試みられており,網生簀から逃亡したものであると推察された。ヘミクロミスは,那覇市の貯水池で採集され,この水域で再生産していると考えられた。同水域からは,シルバーアロワナも複数確認された。88河川の魚類調査の結果,魚種が10以下の場合には,移入魚が全体の50%以上を占める場合があった,種数が増加するに従い,移入魚が占める割合が減少し,30種以上の魚類が生息している河川では,移入魚が占める割合は10%以下となった。今年度の調査で,南風原ダムから805個体のジルテラピアが採集された。そのうち84個体の耳石薄片を顕微鏡下で観察した結果,最大4本の輪紋が確認された。これを年輪であるとすると,本種は4年で、136.0mmに達すると考えられた。 久米島:久米島からは,11目21科48種の魚類が採集された。そのうち移入種は4種そのうちソードテールは,島内のあらゆる水域に侵入していることが明らかとなった。 与那国島:与那国島から新たにカダヤシが採集された。また,島内で最も大きい河川である田原川下流域の水質が著しく悪化していた。
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