2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス舌上皮in situカルシウムイメージング法の確立と水産食品複合味解析
Project/Area Number |
15580178
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science & Technology |
Principal Investigator |
潮 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50251682)
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Keywords | マウス / カルシウム / 味覚 / 化学受容 |
Research Abstract |
昨年度研究で確立した長時間の測定に耐えるマウス舌上皮in situカルシウムイメージング法を用いて,甘味物質としてサッカリンナトリウム,苦味物質としてデナトニウム安息香酸塩,うま味物質としてグルタミン酸ナトリウム(MSG)に対するマウス味細胞のカルシウム応答を明らかにした.まず,うま味受容体については,代謝型グルタミン酸受容体4型(mGluR4)の関与が示唆されているが,通常mGluR4の下流には抑制性Gタンパク質が存在し,サイクリックAMP (cAMP)の分解酵素であるホスポジエステラーゼ(PDE)が活性化されるため,細胞内cAMP濃度が減少するはずである.そこで,cAMPを合成する酵素アデニレートシクラーゼ(AC)の阻害剤SQ22536およびMDL12330Aを投与したところ,MSGに対するカルシウム応答は影響を受けなかった.このことから,本受容体が口腔内におけるMSG応答に関与する可能性は小さいものと考えられる.TIRsのようなmGluR4以外のGタンパク質共役受容体の関与が示唆される. また,2次元多点測光でMSG応答性味細胞を特定した後,それらの味細胞がイノシン酸(IMP)に対して示す応答およびMSGとIMPに対する応答を調べたところ,非常に大きな相乗効果が認められた.これはこれまで明らかにされてきた現象が末梢レベルで発現していることを支持するものである.また,同様な検討から,還元型グルタチオンがMSGに対するカルシウム応答を増強することも明らかとなった.以上のように,複合味を投与した際に単独の味質では得られないような複雑な応答が得られることから,味覚に関する研究においてこれまで味質をバラバラにして検討する(受容体の特定など)手法が取られていたが,今後は複合した味質問の相互作用についても注意を払う必要があるものと考えられる.
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Research Products
(6 results)