2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580194
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
祖田 修 福井県立大学, 学長 (40081111)
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Keywords | アメリカ合衆国 / 大農圏 / 農業思想 / 農学思想 / 歴史的展開 |
Research Abstract |
本年度はアメリカ合衆国の農業・農学思想について研究するため、ワシントンの国会図書館はじめ、ニューヨークでの関係図書資料の探索を行った。アメリカ合衆国は建国以来東部から西部へと開拓が行われ、当初から麦類、トーモロコシ等の生産、綿花栽培による繊維産業の振興および、それらのヨーロッパへの輸出が企図され、企業的な大農経営が確立していった。したがって現在、中農圏のヨーロッパ、特に日本等多くの小農圏は、生産費格差に悩み、農産物貿易上さまざまな軋轢が起っている。それは現実的な対立だけでなく理念上の対立を生んでいる。「農業の場所性」がこの問題解決の1つの糸口と考えるが、そのような思想の入り込む余地が、アメリカ農学の中にあるかどうか。この点に重点を置いて資料の探索を行った。 同時に明治維新以降、農学が日本に伝えられたが、本州の場合ドイツ農学が、北海道ではアメリカ農学が主流となった。これは北海道が新開地であったこと、比較的広大な農地確保が出来、規模の大きい農業経営の余地があったことなどが関係していると思われる。こうした点について概要の考察が出来た。いずれ大農圏の思想を世界農学史の中に位置付け、その功罪を明らかにしたい。
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Research Products
(3 results)