2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本の近代化・現代化による農業集落の歴史的変容に関する研究
Project/Area Number |
15580206
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Research Institution | DOSHISHA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
庄司 俊作 同志社大学, 人文科学研究所, 教授 (70130309)
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Keywords | 村落 / むら(農業集落) / 町村 / 政府 / 農家小組合 / 1930年代 / むら共同性 / 町村の一体性 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績は、大きく次の4点にまとめられる。 (1)近現代の村落の実態を解明し、今後の村落研究の進展につなげることを目的に、日本農業史学会のシンポジウム・「近現代日本の村落をめぐって」を企画し、その中で「近現代の政府と町村と集落」を報告した。この成果は、『農業史研究』(第40号)に「主旨解題」「近現代の政府と町村と集落」「討論」として掲載された。 (2)近現代村落の社会経済史研究の課題は、日本の資本主義に対応した行政、政策、産業組合による経済事業、社会運動等をめぐる国(政府)、町村(行政村)、村落の社会関係の三者の相互関係の分析である。その一環として、農家小組合を取り上げ、独自の視点から農家小組合と村落の関係を解明し、「農家小組合の政策と展開」をまとめた。 (3)昭和30年代の町村長のありようを明らかにする一歩として、京都府園部町で町長を務めた野中広務にインタビューを行ない、その記録を解説を加え発表した。同時に同町に関しては昭和10年代〜40年代の行政資料・部落文書等の整理収集を行なった。 (4)関西学院大学の21世紀COE「人類の幸福に関する社会調査」研究の1部門「村の日記」研究班に参加し、「村の近現代史研究から見た知内村研究の意義と課題」に報告を行なうとともに、高島市知内の部落文書の整理に当たった。 その他、長野県阿智村の集落調査、京都府久御山町の農業・集落調査等を実施した。後者については、その成果の一端を「開発と農業」としてまとめた。
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