2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580210
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
清水 英良 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90144005)
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Keywords | 原位置試験 / 常時微動観測 / 干拓堤防 / スペクトル解析 / 卓越振動数 / 特性値 |
Research Abstract |
土構造物のうち、土地改良施設のなかでも基幹構造物の一つである既存の干拓堤防を取り上げ、現地振動実験を行った。サイトは岡山県児島湾干拓締切堤防であり、車両走行の少ない日曜の深夜から早朝にかけて地表型換振器を用いて常時微動観測を実施した。方法は水平動2成分、鉛直動1成分の3成分について定点観測を3カ所(P1〜P3)実施し、H/Vスペクトルにより卓越振動数をそれぞれ求めた。その結果、以下のことが明らかになった。 (1)水平成分については堤軸平行・直交方向ともほとんど差異がなく,特にP3地点では全く同じである。P3地点では堆泥の埋立てを実施しており,一般の地盤と殆ど変わらない状況であることから,低平な干拓堤防は一般の水平地盤の特性と大差ないと考えてよい。 (2)1次卓越振動数は,P1,P2地点が約1.2HzでP2地点が約1.1Hzとなった。この差は,地盤構造の微妙な変化を捉えていると解釈されるが,マクロに見た場合,堤防の特性値は約1.2Hzとみて差し支えない。 (3)ピーク増幅率はP1地点で4〜6倍,P2,P3地点で11〜14倍と異なっている。 以上から、堤防の特性値を表す1次固有振動数は約1.2Hzと推定され,H/Vスペクトルが干拓堤防の特性値推定にも適用できることが明らかになった。
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