2004 Fiscal Year Annual Research Report
住民参加型計画手法を用いたため池保全策の立案と実践
Project/Area Number |
15580213
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
森下 一男 香川大学, 工学部, 助教授 (80036061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 渡 香川大学, 工学部, 教授 (30032288)
角道 弘文 香川大学, 工学部, 助教授 (30253256)
井面 仁志 香川大学, 工学部, 助教授 (90294735)
守田 秀則 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (60239663)
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Keywords | 住民参加 / 参加型計画手法 / ため池保全 / ワークショップ / 情報発信 / 維持管理 / アンケート調査 |
Research Abstract |
本研究は、ため池の維持管理問題に対処するため、ため池の多面的機能の効用を地域住民が享受するとともに、維持管理にも住民参加の道を開くことができないかを焦眉の検討課題としている。そのために、情報発信システムを含む、ため池保全策の立案システムと実践システムを明らかにする必要がある。研究対象地区は前年度に引き続き、県営ため池再編総合整備事業の事業対象地区の一つである香川県牟礼町宮北(自治会)地区である。本年度は下記の諸点の成果が得られ、また、問題点も明らかとなった。 (1)情報発信については、引き続き「ため池通信」を発行し、第10号(H16.4.30)から第22号(H17.2.28)まで13号発行し、宮北自治会全戸(230戸)に配布した。 (2)WSについては、前年度までの若いお母さんや婦人層を主とした女性グループによる廃止予定ため池の利活用案の作成を受け、成案を得るために、女性グループと事業推進委員会との合同WSを開催することができた。 (3)WSによって得られた廃止予定ため池の利活用案について、情報提供を兼ねて自治会全戸に対するアンケート調査を実施した。その結果、「ため池通信」は7割以上が読んでいることが明らかとなった。また、利活用案のどの問いに対しても、2割前後が分からないと回答し検討すべき問題が残っていることが判明した。アンケート結果の詳細分析は次年度に行うことにした。 (4)廃止予定ため池の利活用案の立案段階における合意形成システムは明らかにすることが出来たが、立案段階から実践段階に移行するプロセスにおいて、維持管理問題をテーマにしてWSを開催したが、利活用案の成案が得られていないとの反対意見が出て、実践段階における最初の合意形成は意図したようには運ばなかった。 (5)宮北地区の取組みは、廃止予定ため池の利活用案の作成を終わり、コンサルタントによる設計案作成の段階に移っている。もちろん、設計案作成も住民参加型で進められる。このため、宮北地区では香川県内の先進事例地区の現地見学会を実施している。また、皿池の利活用案として学校農園が描かれているが、事業推進委員会が学校関係者とコンタクトしていない問題がある。
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Research Products
(3 results)