2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580226
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
大場 和彦 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・環境資源研究部, 室長 (50343950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 篤志 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・環境資源研究部, 研究員 (90355652)
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Keywords | 暑熱環境ストレス / 噴霧冷房 / 乳用牛 / 熱波日 / 環境指標 / 熱収支 |
Research Abstract |
九州地域内の夏季における熱波日の出現頻度について解析を行うと同時に、牛舎内構造の違いによる(フリーストール型:牛舎A、タイストール型:牛舎B、タイ・フリーストール型:牛舎C)の暑熱環境の測定を実施した。また、牛舎内の暑熱低減させるための設備である換気扇や噴霧による冷房郊果が乳牛への影響を検討した。その結果の要約を以下に示す。 1)日最高気温が35℃以上の日を熱波日と定義し、その出現は6月では出現が見られず、7月では日田市で4.2回/年、熊本と宮崎市で2.4回/年の出現であり、8,月では日田が5回/年、熊本が3.9回/年、佐賀が3.8回/年であった。九州管内アメダス観測点での平均出現回数は1.5回で、標準偏差は1.4回である。 2)噴霧を実施していない場合、日中の牛舎内の気温は牛舎Aが他の牛舎より約0.5℃低く、その原因は、牛舎の側面壁がないため風通しが良好に起因していると考えられる。 3)噴霧の影響がある場所は無い場所に比べて、気温が低く、絶対湿度が高くなる。これは、霧が蒸発することで絶対湿度が上昇し、空気から潜熱を奪うことで気温が低下する。 4)噴霧により低下した最高温度量は、牛舎Cでは4.9℃、牛舎Bでは4.2℃であった。霧が1g/m^3蒸発することで低下する温度量は牛舎Cで約0.95℃、牛舎Bで約0.4℃であった。この値は理論値である1.9℃よりも小さく、その原因は牛舎の構造と噴霧の効率の違いによるものと考えられた。 5)暑熱環境の季節変化は牛体の熱収支を指標とした場合、夏季から秋季にかけて貯熱量が正の値をとり、牛体に熱が蓄えられる傾向で、秋季から冬季は気温の低下と日射の減少により顕熱放散量が増加し、純放射量が低下した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 柳博, 大場和彦, 黒瀬義孝, 丸山篤志, 真木太一: "畜舎設備が乳用牛の暑熱環境に与える影響"農業環境工学関連5学会2003年合同大会講演要旨集. 140 (2003)
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[Publications] 柳博, 大場和彦, 黒瀬義孝, 丸山篤志, 真木太一: "九州地域における暑熱環境の実態"九州の農業気象. 第II輯12号. 43-44 (2003)