2005 Fiscal Year Annual Research Report
家禽における内分泌攪乱化学物質に対する感受性とバイオアッセイ法の確立
Project/Area Number |
15580232
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
杉山 稔恵 新潟大学, 自然科学系, 助手 (10272858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠原 征治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80018788)
西村 宏一 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所, 主任研究員
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Keywords | 内分泌撹乱化学物質 / ウズラ / ニワトリ / 感受性 / バイオアッセイ法 / 骨髄骨 / ビテロゲニン / 受容体 |
Research Abstract |
本研究では、家禽における内分泌撹乱化学物質に対する感受性を明らかにするとともに、内分泌撹乱化学物質のバイオアッセイ法の確立を目的として以下の実験結果が得られた。 1.骨髄骨を用いたバイオアッセイ法の検討 雄ウズラに殺虫剤であるDDEを投与した結果、DDE 10mg投与において大腿骨内に網状に発達した骨髄骨の発現が観察された。一方、DDE 5mg-0.2mg投与および対照区では、骨髄骨の形成が観察されなかった。また、各区の血清中のビテロゲニン濃度をELISA法にて測定したところ、DDE 10mg投与においてのみ、ビテロゲニン濃度の上昇が観察された。このことは、骨髄骨がエストロジェン様内分泌撹乱化学物質のバイオアッセイ法となりえるとともに、その化学物質に対する感受性は、すでに確立しているビテロゲニンアッセイ系と同等あるいはそれ以上であると考えられる。 2.受容体の発現と局在についての検討 内分泌撹乱化学物質受容体であるアンドロジェン受容体、エストロジェン受容体のニワトリ骨髄骨における発現と局在について検討した。その結果、アンドロジェン受容体は骨形成細胞に発現していることが明らかとなった。また、エストロジェン受容体も骨形成細胞に発現しており、その受容体サブタイプはαであることが明らかとなった。このことは、内分泌撹乱化学物質は骨吸収よりも骨形成に深く関与するものと推測される。 3.ウズラ肝臓でのビテロゲニン(Vt) mRNAアッセイ法の検討 ニワトリVt塩基配列を基にプライマーを設計し、ウズラにおけるVt mRNA発現をRT-PCR法で確認した。また、これらVtの発現は、エストロジェン受容体αアゴニストにより誘導されることを明らかにした。このことは、これまでに知られているVtを発現させる内分泌撹乱化学物質は、エストロジェン受容体αを介していることを示している。
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Research Products
(2 results)