2004 Fiscal Year Annual Research Report
放牧および舎飼い牛群の省力的・福祉的な群管理への電子機器導入
Project/Area Number |
15580233
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松井 寛二 信州大学, 農学部, 教授 (50126166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 謙一 信州大学, 農学部, 助手 (90324235)
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Keywords | ウシ / 歩数 / 顎運動回数 / 体温 / 姿勢 / データ収集システム / 無線通信 / 発情 |
Research Abstract |
平成15年度において、各種の生体情報の検出部(センサー部)と記録・送信部を家畜に装着しておき、家畜管理者がデータを収集したい時に随時無線通信により、これまで記録したデータをデータ収集器で収集する簡易なシステムを開発した。その中で、本年度は(1)発情や運動量の指標となる歩数、(2)摂食行動や反芻行動の指標となる顎運動回数、(3)健康状態や発情の指標となる体温(膣温あるいは直腸温)、(4)休息状態の指標となる姿勢(立位、伏臥)について、信州大学農学部AFC附属農場繋養の黒毛和種繁殖雌牛を用いて長期間連続記録した。歩数は、運動場つきフリーバーンに飼育している4頭の成雌牛を用いて、1分毎の歩数を20日間連続記録し、その問に記録されたデータを適宜収集し、モニターした。記録期間中装置の脱落、また雨などによるトラブルもなく連続記録できた。伊那市のA牧場の繋ぎ飼い、4時間毎に多回給餌している4頭のホルスタイン種搾乳牛に本装置を装着し、発情日前後の5日間、10分毎の歩数を連続記録した。4頭のうち1頭は、発情時にやや増加したが、他の3頭は発情時においてもほとんど増加しなかった。発情時に増加しなかった原因として、多回給餌により立位姿勢を頻回に繰り返していたためと考えられた。さらに本システムを用いて、舎飼いペンで飼育している2頭の黒毛和種繁殖雌牛の体温(膣温及び直腸温)、歩数、姿勢および顎運動回数を4日間連続記録した。体温は、松井(1995)の方法に従い、膣温友び直腸温を記録した。直腸温は、乾草主体の餌で飼育していたため糞が硬く、排糞により挿入したセンサーが押し戻され連続記録できなかった。しかし、膣温は、センサーの押し戻しもなく、記録できた。歩数、姿勢及び顎運動回数は、連続して記録できた。 これらの結果から、本計測システムは、舎飼い、屋外、放牧など飼育条件を問わず、家畜の生体情報収集に応用できると考えられた。
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Research Products
(2 results)