2005 Fiscal Year Annual Research Report
人と家畜との関係の向上を目指した家畜介在教育の可能性
Project/Area Number |
15580235
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷田 創 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (20197528)
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Keywords | 動物介在教育 / 家畜介在教育 / 食農教育 / 人と家畜との関係 / 家畜福祉 / フィールド教育 |
Research Abstract |
本研究は、「食育」「食農教育」に焦点を当て、食農教育プログラムの開発の一環として、幼児が「食」「食材」「食を支える家畜」をどのように捉えているのかを明らかにすることを目的とした。広島県内にある6つの幼稚園の年長児153名を対象として個別面接調査を行った。3園の幼児は調査前に、乳牛、肉牛、豚、羊を飼養している広島大学附属農場を見学していた。調査項目は、「日常生活における動物及び食べ物との関わり」「家畜に対する認知度」「牛乳、卵と家畜との関連性」「料理と食肉、家畜との関連性」とし、各幼児に様々な家畜、料理、食材の写真を見せながら質問した。約6割の幼児が、家で食事をするよりも外出して食事をすることを好んでいた。その理由として「楽しい」「家よりもおいしい」「家よりも種類がたくさんある」が挙げられた。保護者の作る料理の中で、幼児はカレーライスとハンバーグを最も好んでいた。牛、豚、羊、鶏の写真を見せて家畜の種類を尋ねると、羊以外の家畜については9割以上の幼児が正答したが、羊については、15.0%の幼児が「ヤギ」と回答し、12.4%がわからなかった。また、3本、4本の脚を持つ鶏の写真を本当の鶏として選択した幼児が3割以上いた。大学附属農場を訪れた幼児の方が、牛、豚、鶏を有意に「好き」であると回答する傾向が見られたことから、幼児は農場見学をしなくても知識として家畜の種類をほぼ正しく答えることができるが、実際に家畜を見たり触れたりすることによって無意識に親近感や好ましい印象を持つようになることが示唆された。9割以上の幼児が牛乳・卵を生産している家畜を正しく選択したが、中には、牛乳が鶏や豚から、卵が植物や牛から生産されると認識している幼児もいた。料理と食肉との関連性についてはある程度認識していても、食肉とそれを生産する家畜とのつながりについての知識は希薄であった。
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Research Products
(3 results)