2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580264
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
竹内 正吉 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (00171611)
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Keywords | 消化管運動機能因子 / 各種機能因子欠損マウス / Cajalの介在細胞 / 伸展刺激反応 / ラット空腸弛緩とATP / 結腸平滑筋収縮Ca^<2+>感受性機構 / ACh放出とautoreceptor / M_2とM_4受容体subtype |
Research Abstract |
消化管運動を調節する機能因子の加齢による変化を調べる際に、これら因子やその調節機構が依然明らかにされていないことから、まず、8-12週齢の動物を用いて、消化管運動機能因子を探索した。消化管運動を調節する機能因子として近年、Cajalの介在細胞(ICC)が重要な役割を担っていることが報告されてきている。そこで、ICCのマウス消化管における分布を詳細に調べ、ICCが消化管全体に広く分布していること、その分布が消化管の部位により異なっていることを示した(日薬理誌121,170)。更に、ICCのマウス小腸における運動調節機能を、ICC欠損マウスとそのwild-typeを用い比較検討したところ、壁内神経叢に存在するICCが一酸化窒素による弛緩に関与していることを明らかにした(J Pharmacol Sci., 95,71)。また、マウス消化管を用いたballoon伸展刺激による反応記録方法を開発した。この方法ではより生理的な条件下での消化管運動を記録できうる。この方法を用いた結果、管内を伸展刺激することにより生じる伸展刺激部位より口側部の収縮、尾側側の弛緩が欠損マウスで認められなくなることから、その神経回路にICCが重要な役割を持つことを示唆した(J Pharmacol Sci., 96,483)。ラット空腸においては、弛緩の伝達物質として、neurotensin以外にATPが候補であり、細胞内のCa^<2+>貯蔵部位を介してSKチャネルを開口することにより、弛緩を生じることを示した(J Pharmacol Sci., 97,91)。消化管平滑筋の収縮機構は血管平滑筋に比べ、その解明は進んでいない。そこで、結腸平滑筋におけるCa^<2+>による収縮機構を調べたところ、結腸の部位により、調節機構が異なることを明らかにした(Br J Pharmacol., 142 657)。一方、腸神経叢からのacetylcholine (ACh)遊離を調節するautoreceptorのsubtypeはこれまで、明らかにされてはいなかった。そこで、ムスカリン受容体欠損マウスを用い検討したところ、M_2とM_4 subtypeがACh遊離を調節していること、また、互いにその機能を補いあうことを示唆した(J Neurophysiol.In press)。今後、本研究で得られた結果を基に、加齢による腸機能とこれら因子の変化を調べる。
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Research Products
(6 results)