2004 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βファミリーによるマスト細胞の機能調節とその分子機構
Project/Area Number |
15580268
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
舟場 正幸 麻布大学, 獣医学部, 講師 (40238655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 輝雄 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (60151297)
村上 賢 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (80271360)
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Keywords | TGF-β / マスト細胞 / 遊走能 / Smad3 / p38キナーゼ |
Research Abstract |
アレルゲン-IgE複合体が細胞膜表面上に存在する高親和性IgE受容体に結合するとマスト細胞は活性化し、ヒスタミンなどを放出し炎症が誘起される。先の研究において、マスト細胞では、活性化に伴いTGF-βファミリーに属するactivin Aの発現が惹起されることを明らかにした(Cell signal.,15:605.2003)。本研究は、TGF-βファミリー(TGF-β1,activin A, BMP-2)のマスト細胞に対する作用ならびに作用機序の解明を目的としている。研究初年度において、低濃度のTGF-β1(100fM)とactivin A(10pM)には前駆マスト細胞を遊走させる効果があり、高濃度のTGF-β1(200fM)とactivin A(2nM)には細胞増殖の抑制効果があることを明らかにした(J.Leukoc.Biol.,73:793.2003)。前駆マスト細胞をTGF-β1処理するとp38 MAPキナーゼがリン酸化される一方、このTGF-β1誘導性のp38 MAPキナーゼのリン酸化はSmad3ノックアウトマウスより調製した前駆マスト細胞では見られないことが分かった。TGF-β1には前駆マスト細胞を遊走させる活性があるが、Smad3ノックアウトマウスより調製した前駆マスト細胞はTGF-β1に対する走化性を示さなかった。また、野生型のマウスより調製した前駆マスト細胞をp38 MAPキナーゼインヒビターで前処理するとTGF-β1に対する走化性が低下することが明らかとなった。以上の結果、前駆マスト細胞におけるTGF-β1作用のうち、少なくとも遊走能に関してはSmad3を介した作用であること、p38 MAPキナーゼの活性化が関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)