2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗イヌパルボウイルス抗体の進化工学的手法による中和能増強
Project/Area Number |
15580281
|
Research Institution | Nippon Institute for Biological Science |
Principal Investigator |
岩田 晃 (財)日本生物科学研究所, 研究部, 主任研究員 (70193745)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山元 哲 (財)日本生物科学研究所, 研究部, 研究員 (40290986)
細川 朋子 (財)日本生物科学研究所, 研究部, 研究員 (10300790)
|
Keywords | イヌ / パルボウイルス / 治療 / 中和抗体 / バキュロウイルス / ScFv / イヌ化抗体 |
Research Abstract |
1.イヌパルボウイルス(CPV)に対する中和モノクローナル抗体(mAb)の解析 5種類のCPVに反応するmAb、CP1a、CP2a、CP3a、CP4a、CP5aについて、ELISA、Latex凝集能、ウエスタンブロッティング(WB)による反応性、赤血球凝集阻害活性(HI活性)、中和能を調べ、相補決定部位(CDR)のアミノ酸配列と比較した。アミノ酸配列から3種類に分けられ、抗体の反応性についても3種の間で相関があった。 2.イヌ抗体のバキュロウイルス(BaV)による発現 イヌ抗体をBaVで発現した。上清へ分泌された抗体量は0.1μg/mL程度であった。抗体をprotein Aカラムで精製したところ、H鎖単独とIgGの4量体の2種類の分子が精製された。BaV発現系ではH鎖単独でも分泌さることが明らかになった。抗イヌIgG2抗体と反応したことから、クローニングした抗体はIgG2と分類された。 3.イヌ化抗体の作製 1の抗体より、2の抗体のフレーム領域のホモロジーの高い抗体CP2a抗体をベースとして選択した。CDR移植によりイヌ化を行い、組換えBaVで発現した。WBで調べたところ、イヌ化CP2a抗体はCPVに対する反応性を保持しており、VP2タンパク質のアミノ酸配列146-292の部分にCP2a抗体同様、WBで反応した。二次構造を保存するためにアミノ酸置換を追加したイヌ化CP2a抗体も同様に反応した。 4.ScFvのBaVによる発現 中和能の強いmAbであるCP1a抗体をベースに、20アミノ酸からなる(G4S)4リンカーでHeavy、Light鎖のV領域を結合したScFv DNA断片をオーバーラップPCR法で構築した。組換えBaVを作製し、ScFvの発現をC末端側に付加したヒスチジン・ヘキサマータグに対する抗体を用いてWBで確認した。しかし、ScFvを含む培養上清はCPVを中和せず、また、HI活性を持たなかった。進化工学を適応するための土台抗体の設定には更なる検討が必要である。
|
Research Products
(1 results)